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大径材活用のための製材の新しいアイディア 「丸太の断面の形を丸から角へ」

1)はじめに
 大径材の活用について新しい使い道を十年以上考えて来ましたが、私はその解答を得られずにいます。2018年10月宮崎県南部で宮崎県森連の素材市場や3か所の製材工場を見学した後に新しいアイディアが浮かんできました。実践していないため、その真価はわからないところです。信州里山.netの木材森林コラムに載せることで多くの方に考えていただけたら幸いと考えています。製材関係の方に話をしましたら、特に否定的な意見は出ませんでした。

2)アイディア
 加工する木材の断面図の図1を見ていただきたい。
⓵樹皮を剥いだ後、例えば、末口径40cmの大径材を自動製材の製材機の大きさに合わせた30cm程度の厚さにシングルソーでカットします。(挽きます)
⓶次に大きい方の木材を⓵と同様にカットします。(挽きます)
 結果、1本の大径材が、
従来の製材機で挽ける木材(図1の左上部分)1本、
断面の形が三日月型の材(図1の下部分)1本と、
三日月の少し切れた材(図1の右部分)1本
の計3つの部分に分けられます。それらを既存の自動の製材ラインへのせるという考えです。

図1 「丸太の断面の形を丸から角へ」のアイディア

図1 「丸太の断面の形を丸から角へ」のアイディア

3)作業工程
 従来の一般材の製材システムの前に前工程を入れる考えです。近年効率化を図った製材工場が増えてきました。今回のアイディアをそのシステムに入れることを考えてみました。
 前提としては、大径材でも使用可能な皮むき機、シングルソーの製材機、フォークリフト(挽いた後の運搬用)の3つが必要です。どれも使用できる製材工場が多いのではないでしょうか。その他場所の空間は必要です。
 今回の案は、大径材を挽ける製材機の無い所でも大径材を挽く方法を考えています。
 製材工場は規模が大きくなっています。1本ずつ丸太の形状をスキャンして自動で木取りを決め、ツインソーを使って効率的にカットし、挽いた材をベルトコンベヤーで流し、製品を種類別に集め、おが粉なども工場内に集めています。そのようなシステムに組み込むために次のようなフロー図を考えてみました。

図2 「丸太の断面の形を丸から角へ」のシステム案

図2 「丸太の断面の形を丸から角へ」のシステム案

4)製材工場にとってのメリット
 新しいことにはメリットもデメリットもあります。また分業の進んでいる木材産業では、色々な立場があります。まず製材工場にとってのメリットを考えてみました。
 丸太の素材市場や森林での木材を買い付ける場合の丸太の太さの制限がなくなります。過去扱えなかった太い材も自分の工場で扱う木材として購入を検討できます。素材市場には季節によって出材量の変動がありますが、対象とできる径級が多くなれば柔軟に購入を考えることができます。
 また、今まで扱っていなかった樹種についても製材できる可能性が出てきます。
 今まで扱っていなかった大径材の乾燥については乾燥スケジュール(乾燥方法に関わること)などを工夫する必要はあるでしょう。
 このように考えてくると、今までは扱っていなかった樹種や大径材に関わる違いに対処する必要はあります。
 「丸太の断面の形を丸から角へ」と挽くことにより、可能性が広がります。コストについては今後調査していきたいと考えています。

5)他のメリット
 大径材活用が活発に行われるようになれば、丸太の素材市場にとって需要者が増え、木材の回転が順調になります。大径材の売れ残りについては各地でため息が聞こえていましたが、解消されるでしょう。
 丸太を供給する森林経営者にとっては木材が売れることで励みになります。多少大きくなっても需要があれば安心して伐り出せます。大径材を買い渋られる現状は森林経営者のやる気をなくさせています。育てた木を大切に使ってくれることを心ある森林経営者は願っています。
 一般消費者にとっては、地域の色々な木材が出て来て使えるようになります。また山の木が健全に管理されることによって間接的に地域の環境が良くなります。

6)「丸太の断面の形を丸から角へ」とインターネット
 大径材が使えるようになれば新たな発見が予想されます。森林から伐り出される木材は地域により樹種により異なります。「スギ」と言っても日本全国色々な品種があります。「丸太の断面の形を丸から角へ」の試みは上手くいく地域とそうはいかない地域があると予想します。
 今までの研究方法では、自分のアイディアを実行し、上手く行ったものを発表するという手順で進めました。インターネット時代(ICT時代)はアイディアを皆で共有し、知恵を出し合い良い物に改良していくことが可能です。そこで今回「丸太の断面の形を丸から角へ」のアイディアを掲載することにしました。丸太は丸い物という先入観が私の場合強かったように思います。
 森林に関わる技術はローカル性が高いため地域によって評価が異なります。今後「ダメだった」という情報も含めて収集し報告していきます。それを信州里山.netで扱ってみたいと考えています。

  • 2018.11.15
  • 田中

信州はそろそろ紅葉の季節です。

 2018年10月12日朝8時松本市内のホテルから野麦峠を自動車で目指しました。そろそろ紅葉が始まるとのことで、信州里山.net委員会の機会に行きました。
 あいにく小雨の残る中の出発で、峠では霧の中での見学でした。写真は上手く撮れませんでしたが、長野県と岐阜県の県境にあるお助け小屋は開いていました。霧の中は久しぶりの寒さで早々に車の中に退散しました。写真1,2は峠近くで撮影しました。

写真1 霧の中で紅葉は始まっていた

写真1 霧の中で紅葉は始まっていた


写真2 途中の展望台で停車して見学

写真2 途中の展望台で停車して見学

 峠近くの「野麦峠ぶなの森」に寄りました。20年ほど前にカラマツ林の下にブナの苗を植林し、ブナ林を育てる活動を続けているそうです。全国から協力者が手入れの活動に参加しているとのことです。今は高木のカラマツの下にブナが元気に育ち、見事な二段林になっています。二段林は複層林とも言われます。百年後に残るブナ林にしていくとのこと、成長が楽しみです。

写真3 野麦峠ぶなの森の看板

写真3 野麦峠ぶなの森の看板


写真4 カラマツの下にブナが元気に育っている

写真4 カラマツの下にブナが元気に育っている

 これから信州は紅葉の季節になり多くの方が楽しまれることでしょう。

 松本市奈川地区では秋の新そばまつりが開催されていました。時間が早かったため食べられなかったのはとても心残りです。今回はあきらめましたが、次回はきっと食べようと心に決めて帰途につきました。

  • 2018.10.13
  • 田中

新しい家の庭の緑化をお勧めします~山梨県の新しい家の変化から~

 東京生まれ東京育ちのため今までの人生の大部分は残念なことに東京都内に私は住み続けてきた。少しでも自然を感じて生活したいと2006年東京の中でも八王子市に引越しをした。山梨県はJRの中央本線を使うと行き易く、それ以来山梨県の温泉や山中湖へ日帰りで行く回数が増え、一泊旅行もしたりと歩いてきた。

 今年2018年4月も数年ぶりに桃の花の時期を当てて景色を堪能した。桃の花見は難しい。桃の生産が盛んで桃の花が開花すると摘花が開始される。摘花後の満開の枝には花が少ししかなくなるため、桃の花見は期間が短く農作業の間を見せていただくのである。その上満開の時期を予測するのは素人の観光客には難しかった。ところがネット時代になりその情報を手に入れることができるようになった。後は時間に余裕があれば良いのである。今年は上手くその時期を掴むことができたのだった。
 

JR春日居町駅付近で撮影した桃の花(2018年4月)

JR春日居町駅付近で撮影した桃の花(2018年4月)

 山梨県は果物の生産が盛んで、ぶどう、桃を中心に農業の技術力が高い。果物以外の作物を見ても目を見張ってしまう。夏季の花壇の花としてマリーゴールドを植えるが、東京では花の直径が3センチメートル位だと思っていた。しかし山梨で見るマリーゴールドは花の直径がその倍くらいあり、八重咲の様に咲き誇っているため、はじめマリーゴールドではないと思ってしまった。八ヶ岳へ行った時、大きめの花の苗を入手し植えてみたことがあるが、次々に咲く花はみるみる小さくなっていった。もしかしたら土づくりの差が出ているのかもしれない。

 農家の間の道の散策ではお庭の植木にも手が行き届き、四季折々の花を咲かせ楽しまれていた。感心しながらの散策は東京に暮らしている者にとって楽しみであった。

 3年前に八王子市から東方の世田谷区へ引越し、忙しかったこともあって山梨県へ行く回数は減っていた。JR東日本の特急あずさの車窓では山梨県の緑の景色を眺めていた。しかし車窓では家々の変化には気が付かなかった。

 今年の春変化に気付いた。甲府駅に近い地域では宅地開発が進められている。畑を開発したと思われるが、10軒、20軒と一戸建ての新築住宅が団地のように建築されている。新しい住民が住んでいるようだ。特に子供のいる世帯が多く、車庫の空間は1軒に自動車2台ずつあるのが標準のようで、子供用自転車も複数置いてある。

 新しく作られたアスファルトの道路に車庫スペースが接している。車庫は地面にコンクリートが張られ、塀もあまりない。この10年程東京でもよく見かける隣地との境界に塀が無いような作りである。

 そして、土の庭が全く無い家も多い。少しだけでも花壇があったら花作りを楽しめるのにと思うが、家人は植物の世話には無頓着なのかあるいは植木鉢やプランタで済ませるのであろうか。集合住宅に住み慣れた世代は一戸建てでも塀の無い作りでも違和感がないのかもしれない。30年程の間に一戸建ての考え方が変化し、求める世代が若くなったことで住宅感覚も違ったものになったのかもしれない。

 山梨県の甲府市は夏の暑さではニュースになる。盆地のためであると言われている。果樹を育て農業が盛んで緑に覆われていても盆地は暑いと言われてきた。

 一方、東京はヒートアイランドという言葉が生まれたように夏の暑さは厳しい。その対応として屋上庭園等様々な方法で緑化を進めている。東京は人口密度が高いが、狭い土地に少しでも緑地を確保しようとしている。私の身近なことを紹介したい。世田谷区の場合、新たな集合住宅の建築に際しては公園など緑地のための土地を地域に提供し緑地面積を増やしている。また昔「どぶ川」と呼ばれたような小川を暗渠にしてその上部を緑道にし、多様な草花を植え、下に川が流れているとは気づかないような線の公園を作っている。地域住民は通学路や散歩道に活用している。緑道は自動車が通行しないためとても歩きやすい。また集合住宅の塀はつげやべにかなめもち等の生け垣が多くなり通行人の目を楽しませている。

 東京では最近20坪、30坪、40坪くらいの土地に家を建てることが多く、車庫の他には庭を確保できない。地域では中木1本でも植えてもらい少しでも緑化するように区の街作り課では勧めている。建て売り住宅の場合塀の無い家が多いが、猫の額ほどでも土を入れたミニ花壇を作り、つつじ、どうだんつつじ、あじさい、夏つばきなど花の咲く木を入れている家が多い。

 山梨県は果樹などの畑が多く、緑については農家の方にお任せなのかもしれないが、少しでも身近に植物を植えて夏の暑さに備えるのはいかがだろうか。

 最後に山梨県の緑化について調べてみると、「緑豊かな生活環境の保全と創造」という「山梨県環境緑化条例」を見つけた。目的として、「県民の健康で文化的な生活を確保するためには、緑豊かな生活環境をつくることが重要であることから、県では、県土の環境緑化に関し必要な事項を定め、環境緑化推進を図ること」と示されている。そして学校、公園、公営施設、事業所などの環境緑化基準を定め緑化を推進している。

 条例は大きな施設の基準であるが、環境や文化をぜひ個人の住宅でも継承することをお勧めしたい。緑豊かな山梨県が、いつまでも他地域の人もうらやむ地でずっといられるようにと願っている。

  • 2018.07.12
  • 田中

信濃あじさい寺の弘長寺に行きました

 2018年6月14日、松本市のあじさい寺と呼ばれる弘長寺にあじさいの花を見に行きました。(写真1)この時期東京ではあじさいが良く咲いていますが、弘長寺のあじさいの花は咲き始めたところでした。(写真2)あじさいの種類が多くこれからが楽しみなところです。

写真1 弘長寺にお参りしました

写真1 弘長寺にお参りしました

写真2 あじさいの花はこれからが楽しみです。

写真2 あじさいの花はこれからが楽しみです。


写真3 あじさいの「卑弥呼」の花

写真3 あじさいの「卑弥呼」の花

 「卑弥呼」の名札のあじさいが咲いていました。(写真3)私は初めて見ましたが、とてもノーブルな雰囲気の青色系のお花です。
 東京でも流行の白色のアナベルも咲いていましたが、赤いつぼみのピンクアナベルがあり、もう少しで咲きそうです。お花をぜひ見たいものです。
 蓮池にはかえるがたくさんいました。昼間のためか鳴声は聞こえません。(写真4)もみじの新芽も赤く輝いています。
 入梅後でしたが、お天気に恵まれてのどかにお参りができました。

写真4 蓮池にはかえるがいました。

写真4 蓮池にはかえるがいました。

  • 2018.06.15
  • 田中

私、施主になりました!(8-1完)

8 おわりに~「じっと黙って待つこと」

 家の建築は「じっと黙って待つこと」と理解できた。そうするときっと自分に合わせた良い家と巡り会えると悟った。そのためには信頼できる建築士と出会い、そしてライフスタイルについて時間をかけて聞き出してもらうことが重要であると思う。

 初めて家を建築するとわからないことばかりであった。また他人の家の建築では1棟の家をずっと見ていることはあまりやらないしできることではない。余程の暇人なら別と思うが。他人の家の建築はたまに通った時に今日は何々をしていたなどとチェックをするがすぐ忘れることだろう。

 家の建築期間は長い。私の場合、2016年11月建築会社と契約、2016年暮までに地盤改良から基礎工事まで、2017年1月下旬棟上げ、2017年6月入居と7か月かかった。その間写真を撮影し、それを見ることで思い出すことができるが、遠い思い出のように大方わからなくなっている。

 建築の素人の話を読んでいただいた方に感謝申し上げたい。「ありがとうございました。」素人の私が勝手なことを書いてきたが、プロの方々に素人の施主はいかに解っていないのかを知ってもらいたいとお話することにした。私だけが理解していないのかと自問するが、そうでもないだろうと思う。

 施主の話はあまり耳にしない。私が知ろうとしないだけだと思うが、短い話や宣伝には良い事ばかりである。建築の関係者に施主とのコミュニケーションの難しさをもっと知ってもらいたい。施主にとっては、それまで知らなかった住環境の情報が一度にどっと押し寄せ、選択を迫られるという状況に置かれる。どうしても情報未消化の状態でいる。日本各地で色々な条件が異なるが、宣伝に迷うことも多い。気候をはじめ人の多い所と少ない所、住まい方の違いなど・・・。間違った選択をしないよう指導することは重要と思う。特に知ったかぶりをする施主の扱いはさぞ大変なことだろう。

 専門家の方に、施主のニーズを聞き出してもらいたい。そしてそれに合わせた家造りをお願いしたい。施主の知らないことがあまりにも多く話しても理解できないかもしれないが、施主にとっては簡単に買い換えられない長く付き合う大きな買い物である。施主や家族に合った住環境を提供していただきたい。そして住む人を幸せにして欲しいと思う。

 建築士のお仕事、そして家の建築に関わる大勢の皆様の仕事は世の中のために役立っている。それに加え、将来に渡って住む人に良い住環境を提供する難しくとも夢のある仕事と思う。
(完)

  • 2018.04.03
  • 田中

私、施主になりました!(7-1)

7意匠~外見と外構

7-1外見

 建築物には「意匠」(いしょう)という言葉がある。素人の筆者にはよく理解できないが、建物のデザインを言うようだ。私は何でもなるべく目立たず華美でなくシンプルで機能性を重視したいと思っていた。そのため今まで家の外見に興味を持たずに生活してきた。住宅展示場やカタログを見ても選びようがない状態であった。実家の建替えを考えるようになってから急に周りの家を見たり、道を歩く時に家々を見るようになった。そして世田谷区では駅の周辺の家が大部分3階建てになっていると気づいた。前にも述べたが、それまで建て替えが進んでいるのにも気づかなかった。

 機能を考えると地震に強く、雨漏りせず、長持ちする家がいい。またあまり重くない家が良いなどと素人として勝手な考えが浮かんだ。しかし何にも確たる理由がないので全て建築士にお任せした。

 サイディングではなく飽きの来ないモルタル作りとなった。隣家のある側は防火のためにモルタルにするが、道路側には木を貼ることができるとのことで、一部木を貼ったデザインになった。歩いていると同様の道路側に木を貼ったデザインの家を数多く見かける。知らない時には気付かないものである。

 モルタルの色は周囲の家に合わせ、溶け込むようにベージュである。色を選ぶ時は2,3種のサンプルを作ってもらい現場でそれを見て選んだが、選ぶのに同席し選ぶ理由を聞きながら「なるほど」と感心しているだけであった。何にもできない素人はプロにお任せした方が良いのではないかと私は思う。

 完成した家はとても気に入っている。全て任せられた方はさぞ大変だったと思うが、施主そして家族としては大満足の家である。模型を見ても実物の家は予想できなかったが、今模型を見ても同様に感覚的に理解できない。ということは、建築士の仕事は作る過程を施主と一緒に過ごして素人の施主の反応を見ながら家を作る作業なのかもしれない。

 家の建築は時間とエネルギーが必要な大仕事であるが、満足できる家のプレゼントに感謝するばかりである。

7-2外構工事

 家の建築の最後は外構工事であった。大げさのようだが家の印象が一瞬で変わるし、家全体の建築に比べ期間が短いのにも驚いた。終わると周囲の街並みに溶け込み、工事現場ではなくなってしまった。

 玄関への階段等のコンクリートのできたてはきれいだ。庭は狭いため防草シートを敷きその上に砂利を敷いた部分が多い。工事は手際が良かった。それまで外構工事のことを全く知らなかった。

 家族は元々家にあった庭石等を組み合わせ小さな石庭造りを楽しんだ。小さいがとても気に入った庭ができた。作ることにしてから石庭で有名な京都の大徳寺大仙院へ見学に行き色々構想を練ったのが良かったと思う。また砂利の材料はインターネットとDIYで購入できた。10kg、20kg、・・・と全部で60kgを購入し、それも面白かった。

 昔は塀があった。今は塀の無い家も多い。マンションから一戸建てに移ると感覚的に要らないのかもしれない。これは数年前東京都八王子市で造成地の家々を見て思ったことであった。都市での事情かもしれないと思う。塀があれば簡単に敷地内に入ることができないが、余程高い塀でなければ人が入ることを防ぐことはできない。塀の有無は慣れてしまえばどちらでも良いのかもしれない。

 今の家は塀がない構造で玄関へ上がる階段の手すりが塀の役割を果たしてくれている。そう考えて周りの家々を見ると同様の家が多い。また道から家までにミニ花壇のある家が新築の家や建売住宅にたくさん見られる。我が家も道と家との間に土の部分を残し花壇の空間を作ってもらった。これから2~3年をかけて低木や花を育てて行きたい。

(続く)

  • 2018.03.31
  • 田中

私、施主になりました!(6-5)

6-5窓について

 窓は大きい方が明るくて良いとずっと思っていた。中学生の時から近視だったためかもしれない。今回の家は小さめの窓がたくさんついている。そして陽射しが部屋の中に入っている。最近建築した家には小さい窓が連続して並べてある家があるが、大きな窓同様に周りの景色が見えていると思う。

 マンションでは開口部に広い窓が開いていることが多い。団地住まいの時は部屋の奥行きがあまりなく吹き抜ける風が気持ち良かった。2015年築のマンションは間取りが変わり広さは約1.5倍になったが、奥行きが長くなった。奥行きの深さを感じさせない部屋の配置と広々としたリビングダイニング+キッチンが設計されていた。躯体には構造用の柱がありそれをよけた大きな窓が取り付けられ、柱を感じさせないようにできていた。LIXSL製の窓であった。家族が「LIXSL様」と呼んでいる大きな窓である。ペアガラス(複層ガラス)で、断熱、防音機能に優れ、外が嵐でもあまり気にならない。様々な外部環境を伝えず、快適な人工空間を作っているものであった。冬寒かった八王子の住まいに比べると隔世の感があった。

 一戸建ての窓についても30年ほど前は大きな窓が流行っていたと思う。阪神大震災後地震対策のためには壁の配置が大事であると言われ、窓が小さくなったようだ。東京の場合建蔽率や容積率が大きく、建蔽率が60%、80%などの場合、平均すると土地の一辺の77%、90%の大きさとなり建て込んでいる。周りの家との関係も悩ましいところである。(0.77×0.77=0.5929≒0.6、0.9×0.9=0.81≒0.8である。)

 今回の建築では周囲の家の窓の位置やスペース等を考慮しての設計となっているように思う。窓の位置や大きさ、仕様については建築士と大工さんにお任せであった。素人の施主は本当にわからないし、説明を聞いても「そうなのか」程度の反応しかできなかった。実際完成してから、こういうことを説明していたのかとか、部屋の4方向の図面はこれを表現していたのかと理解した次第であった。もっと積極的に見聞きすればわかったのかと自問するが、無理であったと現在も思う。もう次回はないと思うが、次回も理解できる自信はない。なぜならその時の建築の技術がわからないし、的確に理解できると思えないからである。住宅展示場に行っても窓ひとつひとつを丹念に観察することなど多くの人はしないと思う。間取りなど他に目が行ってしまうのではないか。

 完成した家の窓を見て、小さくても上手に窓を配置すれば大きな窓同様に明るい通風の良い部屋ができると感心した。窓の数が多く、戸締りにはなかなか慣れることができないでいる。

 さて、窓の性能は「LIXSL様」によって良くできているが、それと共に窓の周囲や内側の造作が50年前の家と全く違っていた。団地の鉄やアルミのサッシは、サッシの枠を感じて使っていたが、21世紀の家は木の造作でそれを囲いまるで木製サッシの様である。

 20年程前から建材展で木製サッシの作成を手掛ける企業のブースを見かけては、住み心地が良さそうと思ったが、現在の窓の施工はその上を行っていたのだと合点した。家の外壁が厚くなったことも一因かもしれない。「地震対策による小さな窓を上手に配置すること」と、「窓の造作の改良」は進んでいる。
 

階段の窓です。木製サッシのようです。

階段の窓です。木製サッシのようです。


部屋の窓です。

部屋の窓です。


楽しい出窓です。

楽しい出窓です。

 義妹の勧めで出窓を作ってもらったが、楽しい空間になっている。カーテンを手作りできたのも良かった。土地の狭い地域では家造りにもいろいろとノウハウがあるのだろう。窓の数が増え、外出時や就寝時の戸締りチェックは大変であるが、防犯のためには頑張ろうと思う。

(続く)

  • 2018.03.30
  • 田中

私、施主になりました!(6-4)

6-4壁

 室内の壁には色々な思い出がある。子育て中はよく汚れた。また時間の経過で変色する。そのためか「10年に1度は内装の新調を」という話を聞いたことがあったが、「まだ使えるなら」そして「まだ我慢できるなら10年に一度は贅沢ではないか」と思っていた。忙しい時の逃げ口上だったかもしれぬ。しかし今は快適な住空間での生活を手に入れることを考えるとその投資も価値あることと思う。

 中古の団地で20年程生活をしていた時、ちょこちょこ改修はしていたが、もっと積極的に考えても良かったかもしれない。どのようなことをやってきたか並べてみる。工事に伴い壁もきれいにしている。
1)キッチンセットの交換(団地の大改修時に)
2)ウォシュレット付きのトイレへの交換(団地の大改修時に)
3)洗面所の交換
4)ピアノをおいてある部屋の弱音化
5)北側の部屋の壁紙交換(カビのために交換)
これらは記憶に残っている。団地の大改修時の提案に合わせて行動したが、その他は最低限の消極策であった。子育て中、仕事をしながらだと余程のきっかけが無いと行動できなかった。現在は、子供の成長期を大事にしたかったと反省するが、私の性格を考えると当時はそれで精一杯だったように思う。

 昔から壁紙は市販され素人でも張り替えることができた。しかし専門家にお願いした方が上手にできることは間違いないだろう。接着剤の改良が進み臭いも少なくなっている。2015年築のマンションは白い壁紙がスタンダード版として貼ってあった。選んだのではなく建設会社が決めた物だ。とても明るくて気に入っていた。

 子供の頃部屋の壁は漆喰壁があったように思う。傷や汚れが付いて壁紙を張ったりしたように記憶している。そして漆喰は少なくなったのだろうと思っていた。今回の家の壁は漆喰のような仕上げになっている。これは建築士が気に入って勧めてくれた物であった。どのような雰囲気になるのかと楽しみにしていたが壁が前面に出ている現在の部屋に似合った良い雰囲気を作ってくれている。空気の洗浄効果もあると聞く。(写真)色も模様も変化がつけられるそうだ。

壁の模様1

壁の模様1


壁の模様2

壁の模様2


壁の模様3と戸棚の扉

壁の模様3と戸棚の扉

 私は木が好きなので、壁に木材を張っても良いと思っていたが、床も壁も木であると重い感じになるのではと案じて言わないでいた。新しい家は私たちの性格を理解した上で選んでくれたと思う。とても明るく質感があり模様も面白い。漆喰の壁は言葉を聞くと古く感じるかもしれないが、色も豊富で模様の自由度が高く多くの人に紹介したい。空気もとても良い。

 他方、階段とトイレ、サニタリーは壁紙になっている。壁紙にはたくさんの候補があり選ぶ作業は大変だったと思う。コーディネータの義妹に選んでもらった。サンプルを見た時にも良いと思ったが、出来上がりは予想外の良さであった。素人には予測がつかずわからないものである。私の美的感覚がにぶいのかと思うが、色々な人がいるのも事実だろう。失敗している人もいるのではないだろうか。生活しながら家のあちこちを感心して眺めている。

 遠い昔を思い出すと、小学生の頃ふすまの模様を選んで大失敗したことがあった。そのころから林間が好きだった私は全面竹模様の絵柄にした。部屋の大きさは6畳だったと思うが、狭い空間が模様によってなおさら狭く感じられ大失敗だったと思った。もちろんそのまま我慢して何年も過ごした。

 逆に、青空の模様を子供が選んで押入れも天袋もふすま全面に張り成功したことがあった。4畳半の狭い部屋であったが、すがすがしい良い選択だったと今も思っている。素人には思い通りに行かないものと私は観念している。

(続く)

  • 2018.03.27
  • 田中

私、施主になりました!(6-3)

6-3天井の材質について

 日常の生活の中で天井のことは気にしないで生活している。「ご自宅のお部屋の天井はどのような物か知っていますか。そして気に入っていますか。」と質問してみたい。

 1966年に両親が購入した建売住宅は和室が多くどの部屋にもツキ板の天井板が貼ってあった。木目模様がきれいでそれが揃っていて私は気に入っていた。年月が経ちいろいろなことがあり、色は飴色に一層濃くなっていった。

 建て直すに当たり、残してもらってまた活用できないかしらと考えたが、建築士の気持ちを考え言い出すのを諦めた。新しい家は白色のクロス張りと思うが、接着剤の臭いも無くとても明るい雰囲気で気に入っている。

 家の中は窓をどんなに大きくしても照明無しに部屋の中で仕事や勉強などの作業はできない。自宅で仕事や作業をする人や、勉強する世代がいる家庭では明るい方が合理的と思う。雰囲気を大切にする方はまた別の考えがあると思うが、中学生の頃から近視だった私は明るい方を好んでいる。

新しい天井は白色である。

新しい天井は白色である。

 別の話になるが、天井と言えば、長野県信濃大町に住む友人のログハウスの家の天窓から眺めた星空は美しいものであった。
(続く)

  • 2018.03.26
  • 田中

私、施主になりました!(6-2)

6-2天井高考

 人間にとって快適な天井の高さはどのくらいなのか。自分の家や部屋の天井の高さを意識しているか。いかがでしょうか。高い天井は人気があるが、メリットばかりなのかと気になる。そこで家の建築の機会に考えてみた。素人の感想と思ってお読みいただきたい。

 人間が立てなければ不便である。背の高い方やスポーツ選手が電車に乗る時に苦労しているのを見かけたり聞いたりする。もし自宅の天井が、頭がつかえる高さだったら何かの拍子にぶつかって頭痛や怪我の原因になる。また、背の高さギリギリでも開放感は得られない。個人の好みもあると思うが、居室の天井はやはりある程度高くないと困ると思う。しかし、色々な事情でそうそう高くはできないものである。

 天井が高いと開放感がある。ホテルのロビーやホールは大空間である。非日常的である。そして個人宅でも吹き抜けのリビングは人気があるという噂を耳にする。そういえば、50年ほど前、高校や大学の宿泊施設の天井がとても高かったのを思い出す。今でも豪農などの古民家では見かける。

 個人の住宅に話を戻そう。集合住宅では建設会社が決めて建築する。その高いことが謳い文句になることもある。そこで天井の高さの機能面から次のようなことを考えてみた。

1)部屋に物を置く場合
 天井が低いと書棚や物入等の背の高い家具が入らない場合がある。他方家具の耐震対策として天井と突っ張らせるタイプの倒れ止めの金具があるが、天井が高いと使えない場合がある。耐震のためには他の方法を用いることになる。

2)日常の作業や掃除
 掃除やカーテンの設置や置物を飾る時には天井が低い方が作業しやすい。天井が高い場合、踏台では間に合わず脚立や梯子にお世話になることがある。

3)実際の経験
 1990年頃建てられたマンションは天井高が234cmであった。その住み心地に特に不満は無かった経験から、現在の家の居間は約234cmになっている。前述の家で間仕切りにカーテンを吊ったが、上を向いての作業は素人には大変であった。

 2015年築のマンションは室内の高さがさらに高く260cmくらいあった。天井の照明器具の取り付けには脚立を利用した。入居者には高齢者もいたので電気屋さんに頼むしかなかったと想像する。高齢者が自分で脚立に登り落ちでもしたらそれこそ大変。天井が高いのは考え物とその時気付いた。

 子育ての現役時代、床面積が50~60m2の団地に住んでいたが、子供にベッドを与えても親は空間が柔軟に使えるふとんを敷いて寝ていた。子供が巣立ち4LDKの家に引っ越したが、家が広くなるとベッドかふとんかに関わらず、寝ている部屋の用途は寝ることと物の収納場所になった。するとそこでは起きて行動しない訳で天井は低くても一向に構わないことになる。その延長にカプセルホテルの発想が出てくるのかもしれない。寝ることだけを考えれば船や列車の2段ベッドはリーズナブルである。

 現在の寝室の天井高は建物の高さ制限など諸般の事情により215cm程度と低くなっている。ベッドを入れたが、寝るためには全く支障はない。小さい元気な子供がいる場合は天井が低いとふざけて跳ね天井に頭をぶつけるかもしれないが、その心配は今のところない。実際の部屋はほんの少し吹き抜けの部分があり、寝ながらの楽しい眺めになっている。

 個人的には、個人の家の天井高は、235cm前後が日本人にとって適当な高さなのかもしれないと思う。背の高い方はそれより高い方が良いのかもしれない。

(続く)

  • 2018.03.26
  • 田中
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