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都道府県の森林生産力をまとめて56

3-9-2 各都道府県の森林生産力を引き出すための協力が重要
 それぞれの地域で地域の強みと弱みを考慮し、独自の計画を立てて地域の人が協力して産業を盛り立てることが大切と考えられる。全国で同じことを目指しても上手く行かないことも多いのが現実である。地域の良さ(強み)を十分に活用したいところである。

 MTANAKA方式都道府県森林生産力分類は森林から産出される木材生産と栽培きのこ類生産から47都道府県を主に5つに分類した。我が国の少子高齢化の現実を考えると、森林地域の産業への求人活動では急に人を増やすことは難しい。これについては2章に論じた。その中で、森林地域の現在の生産量は確保できる範囲であり大切にしたい状態である。そこで、近隣県の状況を見て、相互に協力することが重要である。

 分類1の道県は年間の木材生産量が50万㎥以上で、2017年には13道県が分類1である。大規模製材工場にも供給できる生産力がある。また、人工林の木材の蓄積量を考慮してもまだ余力があり、これからも日本の木材生産をリードしていくことが期待される。

 分類1の中での木材生産と共に栽培きのこ類生産額が20億円以上と多い9道県はきのこの生産でも森林の活用を行っている。他の4県も栽培きのこ類生産額が少ないながら生産はしている。

 分類2の15県は、年間木材生産量が20万㎥以上50万㎥未満の県である。2017年の分類では北は東北地方から南は九州地方の県になっているが、主に関東地方から四国地方の県が多い。樹種としてひのきの生産が可能な県は比較的小規模な経営を続けていることが考えられる。生育樹種を考慮することも必要であるが、木材流通を支え消費者に商品を届ける生産力を評価しなければ産業としては続かないと考えられる。難しいと言われて久しい木材需要の増加策が成功した暁には、近県と共に生産量の増加を考える基礎としてMTANAKA方式都道府県森林生産力分類を使ってほしいものである。

 2017年の分類2の15県の中で、9県は栽培きのこ類生産額が多い県である。森林を地域産業として十分に活用し森林生産力を引き出していると言える。

 分類3の8府県は栽培きのこ類生産額が少なく、木材生産量が10万㎥以上20万㎥未満の県である。気候、歴史、その他の条件から、森林の産業に重きを置いていない状況があるが、少なくとも木材生産は続いている。そして栽培きのこ類生産も額は少ないが続いている。そのような県で急に人集めをして産業を作ることは森林関係の産業以外でも難しいことは周知のことである。分類1や分類2の県に協力することで、自府県の森林管理を続け活用方法を模索するのが現実的と考えられる。森林が環境としてそれぞれ他産業の後押しをしていると考えられる。

 分類4には4県が入っている。分類4は木材生産量については年20万㎥以下と少ないが、栽培きのこ類生産額は多く、森林を木材生産以外で有効活用してると言える県である。自県の条件を考えての森林活用と言える。木材生産については分類3の府県同様に周囲の県の力を借りての森林管理が有利と考えられる。木材需要を増加させる妙案はなかなか出てこない現状では、近隣県と共に協力することが得策と考えられる。木材需要の増加策は難問なのである。

 さいごに、MTANAKA方式都道府県森林生産力分類2017の分類5の7都府県であるが、紹介したように森林の存在が環境として大切になっていると考えられる。他府県同様に活用したくても規模が小さいため大規模な策は難しい。今回MTANAKA方式都道府県森林生産力分類を考案して分類5を作ったことが最も良かったことと考えている。無理して分類1や分類2の道県と類似の施策を行っても、条件も規模も異なり、人手も少なく計画案の推進は難しい。視点を変えての計画立案と計画実施を行った方が住民や仕事の従事者にも有用と考えられる。その時に、隣県との協力によって森林の管理作業を推進できれば森林環境は良くなり、他県への良い影響も得られるのではないかと考えられる。お互いにとって得する考えである。

 国の施策は全国を対象に考えているが、各都道府県ではそれよりも規模を小さくして地域に合わせた方法が大切と考え、2020年現在それを求めての森林経営管理制度や森林環境税及び森林環境贈与税の施行になっている。

 MTANAKA方式都道府県森林生産力分類を参考に、周囲の県の状況との比較ではなく冷静に状況を知って協力していくのが森林の活用に役立つのではないだろうか。

(都道府県森林生産力分類の話を一先ず「完」としよう)

  • 2020.10.27
  • 田中

都道府県の森林生産力をまとめて55

3-9-1 各都道府県の森林生産力をまとめてわかったこと

 47都道府県を見てきたがいろいろ確認することができた。それぞれの都道府県の傾向が見えている。そして次のことを確認することができた。

① 全都道府県の森林の状況がそれぞれ異なることがわかった。似ている傾向の所はあっても同じとは言えない。 ⇒ 一律に対応することは難しい。

② 経営の要素であるヒト、モノ、カネ、情報はそれぞれ異なり、現在の条件となる。 ⇒ 条件には多くの要素がある。地域で把握することが大切である。

③ 現在の条件の結果、現在の生産量と産出額が実現されている。 ⇒ もっと上手くできる可能性を期待するが、どの都道府県についても現在の成果は確かな力である。

④ 経営の要素を変化させることは可能であるが、その影響が予想通りになるとは限らず実施してみなければわからない物である。 ⇒ そのため現在の生産量と産出額がその評価としてはいくつかの良い指標のひとつと言える。

⑤ 業界内や業界外の競争相手は条件についても競争しており、放っておいてはくれない。競争相手に条件でも優ってこそ生産量や産出額を増やすことができる。 ⇒ 自分達だけが工夫しているわけではないのである。状況は変化している。

⑥ ICT、道路網、機械化などの森林地域の条件はこの40年変化してきた。隣県と協力することは以前に比べて容易になっている。 ⇒ 21世紀の新しい挑戦の可能性は未知数である。

⑦ 森林から生産する産物は持続可能であり、計画的に長期に経営することで実現できることを地域の歴史が教えてくれている。 ⇒ 地域の条件を考慮した新しい目標を持ち、地域の計画を立てることは重要である。他地域の借り物の計画では実情にはそぐわないと言える。

⑧ 現在の人工林は先人の努力の結果であり、これを基に産業を考えていくことが可能である。 ⇒ 地域の成功・失敗の結果として現在の人工林がある。現在の成果を参考に地域産業の計画を立てることが大切である。

⑨ ICTを活用し、現在の資源量と地形を把握し生産計画を立てることは可能である。 ⇒ ICT活用には投資が必要であるが、広域の森林のために資源調査や地形調査が重要な基本情報となる。

⑩ 地域の人が協力し、地域の強みを理解してそれを共有し、森林についての産業を計画し、実行することによって産業の活性化が得られると考えられる。 ⇒ 21世紀の今日は隣県との協力を相互に引き出したいものである。

(続く)

  • 2020.10.25
  • 田中

北海道地方の森林生産力を見て行こう54

3-8北海道地方
 木材生産の盛んな地方は北海道地方、東北地方、九州地方であるが、北海道地方はその一つの地方である。北海道は面積が広く、全国の森林面積の22%が北海道に存在している。何度訪問しても新たな発見があり、季節によっても異なった場面を見ることができる。

 学生時代の富良野の大学演習林で見た広葉樹林の素晴らしさ、その後すぎの北限の道南地方の人工林、また知床国立公園など。何をお話しても適切な説明にならないと観念して、林業産出額全国2位北海道については数字の上での森林生産力を紹介するに留める。

 北海道は、MTANAKA方式都道府県森林生産力分類2017の分類1-1である。分類1-1は栽培きのこ類生産が多いと共に、木材産出量が多く50万㎥以上の都道府県である。
 なお、表3-8に2017年の北海道の森林生産力に関するデータを掲載している。
参考文献:林野庁「森林統計要覧2019」

表3-8 2017北海道の森林生産力データ

表3-8 2017北海道の森林生産力データ

3-8-1 北海道

[1]北海道の森林
 北海道の森林面積は全国1位の553.8万haである。森林率は全国21位の70.6%の森林県である。そして北海道の人工林面積は全国1位の147.5万haと多く、人工林率は全国平均が40.7%のところ、全国43位の26.6%と少ない。

 北海道の気候は亜寒帯にも属し、森林の4分の1が人工林になっていることは先人の努力の結果と評価できる。

[2]北海道の林業産出額と栽培きのこ類生産について
 北海道の林業産出額は2016年456.7億円(全国2位)、2017年476.5億円(全国2位)であった。全国の9.8%と10.5%と大きな数字である。

 次に北海道の栽培きのこ類生産額は2016年107.5億円(全国3位)、2017年112.2億円(全国3位)である。北海道は栽培きのこ類生産を盛んに行い、生しいたけは全国2位、まいたけは全国5位、えのきだけは全国4または5位、なめこは全国5位と多種類生産している。

 そして、北海道の林業産出額に対し木材生産産出額と栽培きのこ類生産額の占める割合は木材生産の方が多く、木材生産産出額が2016年75.7%、2017年74.3%と多くなっている。

[3]北海道の木材生産
 北海道の木材生産はからまつ、えぞまつとどまつ、広葉樹の生産が多いことが特徴である。すぎも生産している。

 北海道の木材生産の産出額は2016年345.9億円(全国1位)、2017年354.0億円(全国1位)で、それぞれ全国の14.6%と15.9%であった。また北海道の木材生産量は2016年330.7万㎥(全国1位)、2017年339.3万㎥(全国1位)で、それぞれ全国の16.0%と15.8%であった。2017年の素材生産の樹種を紹介すると、からまつが157.1万㎥、えぞまつとどまつが109.0万㎥、広葉樹が60.2万㎥、すぎが9.8万㎥、その他針葉樹3.2万㎥と続いている。

 北海道の人工林面積は全国1位の147.5万haと多いことを紹介したが、2017年の人工林面積当たりの生産量は2.30㎥/haである。しっかりと木材生産を行っていることがわかる。亜寒帯の北海道は樹種にも特徴がある。厳しい気候の中森林を育て、森林に関わる産業を育ててきている。

 その結果、北海道はMTANAKA方式都道府県森林生産力分類2017では分類1-1に入っている。

 
 今回で、47都道府県の森林生産力の紹介が終了できた。読者の方、そして関係者のみなさまのお陰である。次回以降はMTANAKA方式都道府県森林生産力分類2017の活用方法他の話に移ろうと考えている。少し考えて発信を続けたいので暫しの猶予をお許しください。

(続く)

  • 2020.09.27
  • 田中

東北地方各県の森林生産力を見て行こう53

3-7-7 東北地方の6県の特徴
 東北地方の6県のデータを見てきたが、各県がそれぞれの産業で元気に活動していることが見られた。東北地方は栽培きのこ類生産も木材生産も盛んである。それぞれに分けて見て行こう。

1)栽培きのこ類生産は山形県、秋田県、岩手県、福島県、宮城県が多い。
 表3-7に示すように、全国10位から18位である。その他まつたけ、山菜その他森林からの生産物も多い。今後も産業として続けて行ってほしいものである。

2)木材生産はどの県も多い。
 岩手県は年間生産量が150万㎥弱、秋田県は130万㎥弱、青森県と福島県は80万㎥台、宮城県は60万㎥弱である。ここまでの5県は50万㎥以上である。そして山形県は40万㎥弱である。

 東北地方はどの県も広い。また産出される素材の樹種はこれまでに紹介したが、東北地方全体を見ると、2016年2017年は約70~72%がすぎで、12~13%が広葉樹、8%前後があかまつくろまつ、7%強がからまつ、そしてひのき、その他各1%弱である。

 色々な条件がある中、現在の生産量は森林生産力と評価できる。一つの条件を変えることは可能であっても、それが長期に増産へと作用するか否かはやってみないとわからないと考えられる。

 ICT活用が進めば、各県の森林の資源調査結果を基に生産計画を立てることが可能になる。そして隣県と協力し合えばさらに発展する可能性がある。地域の地元の方々が中心になり21世紀の産業を作っていくことによって森林に関わる産業を今以上に育てられることが期待される。

 東北地方の各県は人工林が多く、紹介したように人工林面積当たりの素材生産量は1.94から3.09㎥/haである。計画的に伐採を行えばまだ余裕があり、将来にわたって持続可能な経営ができると考えられる。
 
(続く)

  • 2020.09.26
  • 田中

東北地方各県の森林生産力を見て行こう52

3-7-6 山形県

[1]山形県の森林
 山形県の森林面積は全国8位の66.9万haである。森林率は全国16位の71.8%で森林県である。そして山形県の人工林面積は全国24位の18.6万ha、人工林率は全国平均が40.7%のところ、全国42位の27.7%と低い。

[2]山形県の林業産出額と栽培きのこ類生産について
 山形県の林業産出額は2016年83.5億円(全国17位)、2017年84.7億円(全国17位)であった。全国の1.8%と1.9%である。

 次に山形県の栽培きのこ類生産額は2016年52.4億円(全国9位)、2017年52.7億円(全国10位)である。山形県は栽培きのこ類生産が盛んで、特になめこは全国1位でシェア23.1%である。

 山形県の林業産出額に対し木材生産産出額と栽培きのこ類生産額の占める割合は栽培きのこ類生産の方が多く、栽培きのこ類生産額が2016年62.8%、2017年62.2%である。

[3]山形県の木材生産
 山形県の木材生産の特徴はすぎの生産が多いことである。山形県の木材生産の産出額は2016年30.5億円(全国21位)、2017年29.8億円(全国22位)で、木材生産量は2016年37.5万㎥(全国17位)、2017年36.1万㎥(全国20位)であった。2017年の素材生産の樹種を紹介すると、すぎが29.7万㎥、広葉樹が3.3万㎥、あかまつくろまつが2.0万㎥、からまつが1.1万㎥であった。

 山形県の人工林面積は全国24位の18.6万haと紹介したが、2017年の人工林面積当たりの生産量は1.94㎥/haである。全国平均0.85㎥/haより大きいが東北地方の県の中では小さい方であり、計画的に推進すれば増産は可能と考えられる。

 山形県は分類2-1である。山形県は立派な美林が多いとの印象が強いが、東北地方に在っては、森林は多いが素材生産量は少ない県であった。現状でも森林を十分に活用していると言えるだろう。
 
(続く)

  • 2020.09.25
  • 田中

東北地方各県の森林生産力を見て行こう51

3-7-5 宮城県

[1] 宮城県の森林
 宮城県の森林面積は全国22位の41.7万haである。森林率は全国34位の57.3%で森林率は日本全体の森林率より小さい森林県である。そして宮城県の人工林面積は全国21位の19.8万ha、人工林率は全国平均が40.7%のところ、全国19位の47.5%と高い。

[2]宮城県の林業産出額と栽培きのこ類生産について
 宮城県の林業産出額は2016年81.0億円(全国18位)、2017年79.6億円(全国19位)であった。全国の1.7%と1.8%である。

 つぎに宮城県の栽培きのこ類生産額は2016年36.2億円(全国16位)、2017年33.7億円(全国18位)である。

 宮城県の林業産出額に対し木材生産産出額と栽培きのこ類生産額の占める割合は木材生産の方が多く、木材生産産出額が2016年54.7%、2017年56.7%である。両方が均衡している。

[3]宮城県の木材生産
 宮城県の木材生産の特徴はすぎが多いことである。宮城県の木材生産の産出額は2016年44.3億円(全国15位)、2017年45.1億円(全国16位)で、木材生産量は2016年58.6万㎥(全国10位)、2017年57.8万㎥(全国12位)であった。2017年の素材生産の樹種を紹介すると、すぎが48.9万㎥、広葉樹が4.2万㎥、あかまつくろまつが3.9万㎥、からまつ、ひのき、その他針葉樹と続いている。

 宮城県の人工林面積は全国21位の19.8万haと紹介したが、2017年の人工林面積当たりの生産量は2.92㎥/haである。全国平均0.85㎥/haより大きくしっかりと木材生産を行っている県であることがわかる。

 宮崎県は分類1-1に入っている。

(続く)

  • 2020.09.24
  • 田中

東北地方各県の森林生産力を見て行こう50

3-7-4 福島県

[1]福島県の森林
 福島県の森林面積は全国4位の97.4万haである。森林率は全国20位の70.7%で森林率は日本全体の森林率より多い森林県である。そして福島県の人工林面積は全国7位の34.1万haである。人工林率は全国平均が40.7%のところ、全国40位の35.0%と低いが、森林面積が大きいために低い比率になっていると考えられる。

[2]福島県の林業産出額と栽培きのこ類生産について
 福島県の林業産出額は2016年92.0億円(全国12位)、2017年100.6億円(全国13位)であった。全国の2.0%と2.2%である。

 つぎに福島県の栽培きのこ類生産額は2016年34.7億円(全国17位)、2017年34.5億円(全国17位)である。福島県は栽培きのこ類生産が盛んでぶなしめじ、まいたけ、エリンギ、えのきだけを生産している。特になめこの生産は全国4位である。

 福島県の林業産出額に対し木材生産産出額と栽培きのこ類生産額の占める割合は木材生産の方が多く、木材生産産出額が2016年62.1%、2017年65.1%である。

[3]福島県の木材生産
 福島県の木材生産の特徴はすぎ、ひのき、広葉樹、あかまつくろまつ、からまつと種類が多いことである。福島県の木材生産の産出額は2016年57.1億円(全国11位)、2017年65.5億円(全国11位)で、木材生産量は2016年71.0万㎥(全国8位)、2017年80.8万㎥(全国8位)と増加している。2017年の素材生産の樹種を紹介すると、すぎが57.3万㎥、広葉樹が11.8万㎥、あかまつくろまつ4.6万㎥、ひのきが4.4万㎥、からまつ2.5万㎥、その他針葉樹と続いている。

 福島県の人工林面積は全国7位の34.1万haと紹介したが、2017年の人工林面積当たりの生産量は2.37㎥/haである。全国平均0.85㎥/haより大きくしっかりと木材生産を行っている県であることがわかる。森林の成長量を考慮し、計画的に経営することで、今後増産の可能性も大きい。福島県は桐の生産でも有名である。

 福島県はMTANAKA方式都道府県森林生産力分類2017では分類1-1に入っている。だいぶ前の話だが、広葉樹林でカブトムシを養殖し東京に出荷するとよいお金になると聞き、工夫されているなと感心したことがある。

(続く)

  • 2020.09.23
  • 田中

東北地方各県の森林生産力を見て行こう49

3-7-3 青森県

[1]青森県の森林
 青森県の森林面積は全国9位の63.3万haである。森林率は全国28位の65.6%で森林率は日本全体の森林率より小さいが森林県である。そして青森県の人工林面積は全国12位の26.9万ha、人工林率は全国平均が40.7%のところ、全国27位の42.6%である。

[2]青森県の林業産出額と栽培きのこ類生産について
 青森県の林業産出額は2016年76.5億円(全国20位)、2017年65.8億円(全国24位)であった。全国の1.6%と1.5%である。

 次に青森県の栽培きのこ類生産額は2016年3.5億円(全国43位)、2017年3.6億円(全国41位)である。青森県は栽培きのこ類生産をしているが量は少なく、周辺地域で消費されていると考えられる。

 青森県の林業産出額に対し木材生産産出額と栽培きのこ類生産額の占める割合は木材生産の方が多く、木材生産産出額が2016年95.2%、2017年93.0%である。

[3]青森県の木材生産
 青森県の木材生産の特徴はすぎが多いことである。青森県の木材生産の産出額は2016年72.8億円(全国7位)、2017年61.2億円(全国12位)で、木材生産量は2016年79.7万㎥(全国7位)、2017年82.7万㎥(全国7位)であった。2017年の素材生産の樹種を紹介すると、すぎが64.1万㎥、あかまつくろまつが7.4万㎥、広葉樹が5.8万㎥、からまつが3.4万㎥、その他針葉樹2.0万㎥と続いている。2016年はあかまつくろまつの生産量が10.3万㎥と多く、2017年は少なくなっている。

 青森県の人工林面積は全国12位の26.9万haと紹介したが、2017年の人工林面積当たりの生産量は3.07㎥/haである。全国平均0.85㎥/haより大きくしっかりと木材生産を行っている県であることがわかる。

 青森県は分類1-2に入っている。青森県は青森ヒバが有名であるが、現在は生産量が少ないと聞いている。2016年と2017年の木材生産産出額の順位が変わったのは、出てきた材が異なっていたためと考えられる。

(続く)

  • 2020.09.22
  • 田中

東北地方各県の森林生産力を見て行こう48

3-7-2 秋田県

[1] 秋田県の森林
 秋田県の森林面積は全国7位の83.9万haである。森林率は全国14位の72.1%で森林県である。そして秋田県の人工林面積は全国4位の41.0万ha、人工林率は全国平均が40.7%のところ、全国18位の48.8%と高い。

 秋田県はすぎ林と田の景色が印象的である。

[2]秋田県の林業産出額と栽培きのこ類生産について
 秋田県の林業産出額は2016年162.0億円(全国7位)、2017年161.2億円(全国7位)であった。全国の3.5%と3.6%である。

 次に秋田県の栽培きのこ類生産額は2016年52.1億円(全国10位)、2017年49.6億円(全国11位)である。秋田県は栽培きのこ類生産が盛んで生しいたけが2017年は全国3位であった。

 秋田県の林業産出額に対し木材生産産出額と栽培きのこ類生産額の占める割合は木材生産の方が多く、木材生産産出額が2016年67.8%、2017年68.9%である。

[3]秋田県の木材生産
 秋田県の木材生産の特徴はすぎが多いことである。秋田県の木材生産の産出額は2016年109.8億円(全国6位)、2017年111.0億円(全国6位)で、木材生産量は2016年128.9万㎥(全国4位)、2017年126.7万㎥(全国4位)であった。2017年の素材生産の樹種を紹介すると、すぎが112.0万㎥、広葉樹が10.2万㎥、からまつが2.1万㎥、その他針葉樹、あかまつくろまつと続いている。

 秋田県の人工林面積は全国4位の41.0万haと紹介したが、2017年の人工林面積当たりの生産量は3.09㎥/haである。全国平均0.85㎥/haより大きく木材生産を行っている県であることがわかる。森林の資源量を調査して計画的に経営することで今後の増産の可能性も大きい。

 秋田県は分類1-1に入っている。秋田すぎのブランドは広く知られている。
 
(続く)

  • 2020.09.21
  • 田中

東北地方各県の森林生産力を見て行こう47

3-7東北地方
 木材生産の盛んな地方は北海道地方、東北地方、九州地方であるが、その一つの地方である。東北地方の各県の森林の産業は21世紀の今日的には盛んである。東北地方6県の内、MTANAKA方式都道府県森林生産力分類2017の分類は次の様である。分類1-1には岩手県と宮城県と秋田県と福島県の4県、分類1-2には青森県、分類2-1には山形県である。

 東北地方の各県は素材生産量が多い。また、栽培きのこ類生産は6県の内5県が20億円以上の生産を行っている。分類1-1の県は栽培きのこ類生産が多いと共に、木材産出量が多く50万㎥以上の県である。分類1-2の県は栽培きのこ類生産が少なく、木材産出量が多く50万㎥以上の県である。分類2-1の県は栽培きのこ類生産が多く、木材産出量が20万㎥以上50万㎥未満の県ある。

 東北地方の各県は森林に関わる産業が元気である。2017年の素材生産量の多い順にそれぞれの県の特徴を紹介していく。

 なお、表3-7に2017年の東北各県の森林生産力に関するデータを掲載している。

表3-7 2017東北地方森林生産力データ

表3-7 2017東北地方森林生産力データ

参考文献:林野庁「森林統計要覧2019」

3-7-1 岩手県

[1]岩手県の森林
 岩手県の森林面積は全国2位の117.1万haで北海道に次いで多い。森林率は全国7位の76.7%で森林県である。そして岩手県の人工林面積は全国2位の48.9万ha、人工林率は全国平均が40.7%のところ、全国32位の41.7%と少し高くなっている。

 岩手県は県の面積が広く、個人的には行く度に森林の広さに感心してしまう。

[2]岩手県の林業産出額と栽培きのこ類生産について
 岩手県の林業産出額は2016年201.5億円(全国5位)、2017年197.3億円(全国5位)であった。全国の4.3%と4.4%である。

 次に岩手県の栽培きのこ類生産額は2016年49.6億円(全国11位)、2017年41.4億円(全国14位)である。岩手県は栽培きのこ類生産を盛んに行い生しいたけの生産が多い。その他森林から採取するまつたけの生産が全国1位である。

 そして、岩手県の林業産出額に対し木材生産産出額と栽培きのこ類生産額の占める割合は木材生産の方が多く、木材生産産出額が2016年70.5%、2017年74.6%と多くなっている。

[3]岩手県の木材生産
 岩手県の木材生産ではすぎやからまつの生産が多いが、広葉樹も多いことが特徴である。

 岩手県の木材生産の産出額は2016年142.0億円(全国3位)、2017年147.1億円(全国3位)で、木材生産量は2016年147.4万㎥(全国3位)、2017年148.9万㎥(全国3位)であった。2017年の素材生産の樹種を紹介すると、すぎが70.0万㎥、からまつが29.6万㎥、広葉樹が28.1万㎥、あかまつくろまつが21.1万㎥、ひのきと続いている。

 岩手県の人工林面積は全国2位の48.9万haと多いことを紹介したが、2017年の人工林面積当たりの生産量は3.05㎥/haである。しっかりと木材生産を行っていることがわかる。厳しい気候の中森林を育ててきている。からまつや広葉樹が多いことは岩手県の特徴である。

 岩手県は分類1-1に入っている。生産量は少ないが漆の生産も知られている。

(続く)

  • 2020.09.20
  • 田中

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