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新しい家の庭の緑化をお勧めします~山梨県の新しい家の変化から~

 東京生まれ東京育ちのため今までの人生の大部分は残念なことに東京都内に私は住み続けてきた。少しでも自然を感じて生活したいと2006年東京の中でも八王子市に引越しをした。山梨県はJRの中央本線を使うと行き易く、それ以来山梨県の温泉や山中湖へ日帰りで行く回数が増え、一泊旅行もしたりと歩いてきた。

 今年2018年4月も数年ぶりに桃の花の時期を当てて景色を堪能した。桃の花見は難しい。桃の生産が盛んで桃の花が開花すると摘花が開始される。摘花後の満開の枝には花が少ししかなくなるため、桃の花見は期間が短く農作業の間を見せていただくのである。その上満開の時期を予測するのは素人の観光客には難しかった。ところがネット時代になりその情報を手に入れることができるようになった。後は時間に余裕があれば良いのである。今年は上手くその時期を掴むことができたのだった。
 

JR春日居町駅付近で撮影した桃の花(2018年4月)

JR春日居町駅付近で撮影した桃の花(2018年4月)

 山梨県は果物の生産が盛んで、ぶどう、桃を中心に農業の技術力が高い。果物以外の作物を見ても目を見張ってしまう。夏季の花壇の花としてマリーゴールドを植えるが、東京では花の直径が3センチメートル位だと思っていた。しかし山梨で見るマリーゴールドは花の直径がその倍くらいあり、八重咲の様に咲き誇っているため、はじめマリーゴールドではないと思ってしまった。八ヶ岳へ行った時、大きめの花の苗を入手し植えてみたことがあるが、次々に咲く花はみるみる小さくなっていった。もしかしたら土づくりの差が出ているのかもしれない。

 農家の間の道の散策ではお庭の植木にも手が行き届き、四季折々の花を咲かせ楽しまれていた。感心しながらの散策は東京に暮らしている者にとって楽しみであった。

 3年前に八王子市から東方の世田谷区へ引越し、忙しかったこともあって山梨県へ行く回数は減っていた。JR東日本の特急あずさの車窓では山梨県の緑の景色を眺めていた。しかし車窓では家々の変化には気が付かなかった。

 今年の春変化に気付いた。甲府駅に近い地域では宅地開発が進められている。畑を開発したと思われるが、10軒、20軒と一戸建ての新築住宅が団地のように建築されている。新しい住民が住んでいるようだ。特に子供のいる世帯が多く、車庫の空間は1軒に自動車2台ずつあるのが標準のようで、子供用自転車も複数置いてある。

 新しく作られたアスファルトの道路に車庫スペースが接している。車庫は地面にコンクリートが張られ、塀もあまりない。この10年程東京でもよく見かける隣地との境界に塀が無いような作りである。

 そして、土の庭が全く無い家も多い。少しだけでも花壇があったら花作りを楽しめるのにと思うが、家人は植物の世話には無頓着なのかあるいは植木鉢やプランタで済ませるのであろうか。集合住宅に住み慣れた世代は一戸建てでも塀の無い作りでも違和感がないのかもしれない。30年程の間に一戸建ての考え方が変化し、求める世代が若くなったことで住宅感覚も違ったものになったのかもしれない。

 山梨県の甲府市は夏の暑さではニュースになる。盆地のためであると言われている。果樹を育て農業が盛んで緑に覆われていても盆地は暑いと言われてきた。

 一方、東京はヒートアイランドという言葉が生まれたように夏の暑さは厳しい。その対応として屋上庭園等様々な方法で緑化を進めている。東京は人口密度が高いが、狭い土地に少しでも緑地を確保しようとしている。私の身近なことを紹介したい。世田谷区の場合、新たな集合住宅の建築に際しては公園など緑地のための土地を地域に提供し緑地面積を増やしている。また昔「どぶ川」と呼ばれたような小川を暗渠にしてその上部を緑道にし、多様な草花を植え、下に川が流れているとは気づかないような線の公園を作っている。地域住民は通学路や散歩道に活用している。緑道は自動車が通行しないためとても歩きやすい。また集合住宅の塀はつげやべにかなめもち等の生け垣が多くなり通行人の目を楽しませている。

 東京では最近20坪、30坪、40坪くらいの土地に家を建てることが多く、車庫の他には庭を確保できない。地域では中木1本でも植えてもらい少しでも緑化するように区の街作り課では勧めている。建て売り住宅の場合塀の無い家が多いが、猫の額ほどでも土を入れたミニ花壇を作り、つつじ、どうだんつつじ、あじさい、夏つばきなど花の咲く木を入れている家が多い。

 山梨県は果樹などの畑が多く、緑については農家の方にお任せなのかもしれないが、少しでも身近に植物を植えて夏の暑さに備えるのはいかがだろうか。

 最後に山梨県の緑化について調べてみると、「緑豊かな生活環境の保全と創造」という「山梨県環境緑化条例」を見つけた。目的として、「県民の健康で文化的な生活を確保するためには、緑豊かな生活環境をつくることが重要であることから、県では、県土の環境緑化に関し必要な事項を定め、環境緑化推進を図ること」と示されている。そして学校、公園、公営施設、事業所などの環境緑化基準を定め緑化を推進している。

 条例は大きな施設の基準であるが、環境や文化をぜひ個人の住宅でも継承することをお勧めしたい。緑豊かな山梨県が、いつまでも他地域の人もうらやむ地でずっといられるようにと願っている。

  • 2018.07.12
  • 田中

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