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第3章 各都道府県の森林生産力~改めて各県の森林生産力を見て行こう 4

 中部地方では分類4に新潟県と富山県があるが、林業産出額が多い新潟県があるので、分類4の2県の話を先にしよう。

3-1-4 新潟県
[1] 新潟県の森林

 新潟県の森林面積は全国6位の85.5万haである。森林率は全国23位の68.0%であり、森林は日本の平均並みに多い。一方、新潟県の人工林面積は全国27位の16.2万ha、人工林率は全国平均が40.7%のところ、全国46位の18.9%の低さである。日本海に面した気候の厳しさから造林が成功せず人工林面積が少なくなったのではないだろうか。他方、米作りをはじめ農業の盛んな新潟県は栽培きのこ類生産が盛んな県となっている。

[2]新潟県の林業産出額と栽培きのこ類生産について
 新潟県の林業産出額は2016年2017年共全国3位であった。全国の約9%を占め、2016年は409億円、2017年は414億円であった。隣県の長野県と同様に、林業産出額に対し栽培きのこ類生産額の占める割合が多く、2016年2017年共97%であった。

 新潟県の栽培きのこ類生産額は2016年2017年共全国2位で、2016年399億円、2017年402億円であった。前に紹介したが、新潟県は特にまいたけ生産が多く全国1位、ぶなしめじ(全国2位)、エリンギ(全国2位)の産出額が多い。その他えのきだけ(全国2位)、なめこ(全国3位)も生産している。他にひらたけの採取は2017年全国1位である。

 農業技術があり、消費地が近いという立地条件を活かし、良質な木材生産を望めない気候を考えると、長年森林の活用として栽培きのこ類生産の経営や技術を培ってきたと考えられる。そして生産は確固たるものと期待できる。

 新潟県は木材生産量が少ないため分類4としたが、分類4の代表県である。森林の活用としてはひとつの「産業形体」を形作っている。地域の人々の長年の努力の結果と考えられる。

[3]新潟県の木材生産
 新潟県の木材生産の産出額は2016年10.5億円(全国37位)、2017年11.1億円(全国36位)で、木材生産量は2016年10.7万㎥(全国36位)、2017年10.5万㎥(全国37位)と少ない。新潟県の樹種はすぎが多く2017年の生産量は9.6万㎥、他広葉樹やあかまつくろまつである。

 人工林面積は全国27位16.2万haと広くないが、2017年の人工林面積当たりの木材生産量は0.65㎥/haである。これは既述のように材積成長量との関係を見ることができる。森林の木々は毎年成長するため、災害等がなければ人工林を放置すると材積の蓄積量は増加を続ける。その時、木材の質の面では計画した育林体系の目標とするところと乖離してしまう。木材は期待するものと変わってしまってもおかしくないと言える。それだけでなく、林内は過密な状態となり、ひと頃言われた下木層の無い「緑の砂漠」状態の林床になり、土砂崩れ等の災害の危険が増す状態になる。

 そこで、今日的な地域の目標林型を考えた施業を行うことが必要になる。健全な森林を育成することが地域の環境には大切である。そのように考えると、まさしく森林環境税等の施行は地域に合った工夫のし所である。木材生産に厳しい気候条件の地域では、良質な木材の育成を目指すだけでなく、県として森林育成を考えると、環境も良くなり農業他の産業に資する森林の在り方を模索できると考えるがいかがであろうか。現在は良質材に加え、極端な話バイオマスエネルギーとしての活用も可能になってきている。

  • 2020.07.03
  • 田中

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