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第3章 各都道府県の森林生産力~改めて各県の森林生産力を見て行こう 5

3-1-5 富山県
[1] 富山県の森林

 富山県の森林面積は全国32位の28.5万haである。森林率は全国25位の67.1%であり、森林率から見ると隣県の新潟県同様日本の平均並みに森林は多い。しかし富山県の県土面積は全国33位の42万haと小さいため、森林面積そのものは少ない。一方、富山県の人工林面積は全国42位の5.5万ha、人工林率は全国平均が40.7%のところ、全国45位の19.1%の低さである。新潟県同様に日本海に面した気候の厳しさから造林が成功せず人工林面積が少なくなったのではないだろうか。米作りをはじめ農業の盛んな富山県は新潟県と同様に栽培きのこ類生産が盛んになってきている。

[2]富山県の林業産出額と栽培きのこ類生産について
 富山県の林業産出額は2016年24.4億円(全国36位)、2017年34.2億円(全国31位)であった。全国の1%弱である。

 富山県の栽培きのこ類生産額は2016年全国22位の18.6億円、2017年全国20位の28.4億円であった。2017年に大きく生産額を伸ばした県である。MTANAKA方式都道府県森林生産力分類2016では分類3であったが、栽培きのこ類生産額が20億円を大きく超え、MTANAKA方式都道府県森林生産力分類2017では分類4になっている。

 富山県では多種類の栽培きのこ類生産を行っているが、どれも未だ少ない生産量である。次に紹介する木材生産量についても多くないため、林業産出額に対する栽培きのこ類生産額の割合が多く、2016年は76%、2017年は83%になっている。

 富山県は農業技術があり、栽培きのこ類生産額の1位の長野県,2位の新潟県が隣県の立地であることから、今後も発展する可能性がある。

 新潟県と共に木材生産量が少ないため分類4の代表県である。

[3]富山県の木材生産
 富山県の木材生産の産出額は2016年5.8億円(全国40位)、2017年5.6億円(全国41位)で、木材生産量は2016年6.4万㎥(全国41位)、2017年5.8万㎥(全国41位)と少ない。富山県の樹種は新潟県と同じくすぎが多い。富山県には昔電柱用のぼかすぎが生産されていた地域もある。

 富山県の人工林面積は既に紹介したように全国42位の5.5万haと広いとは言えない。しかし、2017年についての人工林面積当たりの生産量は1.05㎥/haである。全国平均0.85㎥/haよりは大きく、岐阜県の1.09㎥/haと近くなっている。富山県の木材生産は量的には目立たないが、木材生産については着実に行っている県と言える。またその生産量はまだ少なく、今後資源量調査を行うことで、増産の余力は十分に考えられる。

 富山県は小規模な産地として木材生産が続いている現状である。人工林面積を考えると県内のみでの大規模産地を目指すには難しいが、交通網の発達した現在は、隣県と協調することで発展できると考えられる。

 富山県はMTANAKA方式都道府県森林生産力分類2017では栽培きのこ類生産額の多い分類4の4県のひとつである。木材生産の面では少ない県と言えるが、富山県は地道に森林を活用していると言える。そして森林生産力は多面的に捉える必要があると考えられる。

  • 2020.07.05
  • 田中

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