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各都道府県の森林生産力~改めて各県の森林生産力を見て行こう8

3-1-8 山梨県

[1] 山梨県の森林
 山梨県の森林面積は全国27位の34.8万haであるが、森林率は全国5位の77.9%と高い森林県である。そして山梨県の人工林面積は全国29位の15.4万ha、人工林率は全国平均が40.7%のところ、全国25位の44.1%と比較的高い。

 山梨県の森林は他県と歴史が異なり、明治天皇が県民の災害の窮地を救うために御料林を御下賜の後、現在の県有林となっている。県有林は森林面積の46%である。山梨県は果物を中心に農業が盛んであり技術力はある。しかし首都圏に近い立地から森林の産業への関心が近年高まっていないように感じられる。

 他方、首都圏近郊の観光県であることから、森林の景観は大切にされている。また、東京都の水源林があり、その役割は大きい。

[2]山梨県の林業産出額と栽培きのこ類生産について
 山梨県の林業産出額は2016年13.8億円(全国41位)、2017年14.5億円(全国42位)であった。全国の0.3%程度である。

 また山梨県の栽培きのこ類生産額は2016年2.9億円(全国44位)、2017年2.9億円(全国43位)で金額の変化は少ない。山梨県は栽培きのこ類生産を行っているが、あまり多くはない。

 山梨県の林業産出額に対し木材生産産出額と栽培きのこ類生産額の占める割合は木材生産の方が多く、木材生産産出額が2016年79%、2017年77%であった。

[3]山梨県の木材生産
 山梨県の木材生産産出額は2016年10.9億円(全国35位)、2017年11.1億円(全国36位)で、木材生産量は2016年16.5万㎥(全国31位)、2017年16.5万㎥(全国30位)と変化も少なく絶対量も多いとは言えない。2017年の素材生産の樹種を紹介すると、広葉樹6.1万㎥、からまつ、すぎ、あかまつくろまつ、ひのき、その他が1~3万㎥であった。大量に産出するのではなく、小ロット生産が読める数字である。

 山梨県の森林を見学するとこのように産出量が少ないとは思わなかったが、急斜面の森林が多く、東京都の水源林を担っている等の県の事情が反映してると考えられる。データを見ると、立地が良いことは森林管理にとってあまり良いことではないのかと考えてしまう。

 山梨県の人工林面積は全国29位の15.4万haと紹介したが、2017年の人工林面積当たりの生産量は1.07㎥/haである。全国平均0.85㎥/haより大きい。山梨県は小規模ながら独自の木材生産の産業を維持していると言える。既述のように材積成長量との関係と考えると、山梨県のこの数字はまだ十分に余力のある状態と言える。森林の成長量を考え、森林整備のために更新を行いたいところである。現在の森林生産力は決して多くはないが、産出している樹種が多種類であることから、今後も小規模な生産が行われると考えられる。森林資源調査を行い、それに基づく山梨県の計画を立て計画的に進めると持続的に増産できると可能性は大きい。首都圏に近いことから他産業との競合に苦戦している模様である。

 観光に森林を生かしていると訪問時いつも思うことである。そして山梨県では「森林文化の森」等を企画している。

  • 2020.07.19
  • 田中

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