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近畿地方各府県の森林生産力を見て行こう11

 近畿地方の2府5県の内、MTANAKA方式都道府県森林生産力分類2017の分類は次の様である。分類2-2には三重県、兵庫県、和歌山県の3県、分類3には奈良県と京都府の1府1県、分類5には大阪府と滋賀県の1府1県が分類された。近畿地方の全府県共栽培きのこ類生産額は20億円より少ない。分類2の3県は栽培きのこ類生産が少ないが、木材産出量が20万㎥以上50万㎥未満の県で分類2-2に入り、分類3は栽培きのこ類生産額が少なく木材産出量が10万㎥以上20万㎥未満の府県、分類5はどちらも少なく特に木材産出量が10万㎥未満の府県である。近畿地方は歴史のある林業地が多い。2017年の木材産出額の多い順にそれぞれの県の特徴を紹介していく。

 なお、表3-2に2017年の近畿地方各県の森林生産力に関するデータを掲載している。

表3-2 2017近畿地方森林生産力データ

 

 

 

 

 

 

3-2-1 三重県

[1] 三重県の森林
 三重県の森林面積は全国24位の37.2万haである。森林率は全国29位の64.5%で森林率は日本全体の森林率より少し小さいが森林県である。そして三重県の人工林面積は全国16位の23.0万ha、人工林率は全国平均が40.7%のところ、全国5位の61.8%と高くなっている。

 隣県の吉野林業に接し、また尾鷲林業は有名である。人工林率の高さから、三重県は長年植林に力を入れてきたので今の状態があると考えられる。

[2]三重県の林業産出額と栽培きのこ類生産について
 三重県の林業産出額は2016年53.1億円(全国27位)、2017年54.3億円(全国27位)であった。全国の1%程度である。

 また三重県の栽培きのこ類生産額は2016年16.8億円(全国24位)、2017年17.3億円(全国23位)である。三重県は栽培きのこ類生産を行っているが、あまり多いとは言えない。地元を中心に周辺地域で消費している状態と考えられる。

 そして、三重県の林業産出額に対し木材生産産出額と栽培きのこ類生産額の占める割合は木材生産の方が多く、木材生産産出額が2016年68.0%、2017年66.7%であった。

[3]三重県の木材生産
 三重県の木材生産の特徴はすぎとひのきの生産が多いことである。三重県の木材生産の産出額は2016年36.1億円(全国18位)、2017年36.2億円(全国20位)で、木材生産量は2016年22.9万㎥(全国24位)、2017年24.5万㎥(全国25位)であった。2017年の素材生産の樹種を紹介すると、すぎが12.6万㎥、ひのきが10.6万㎥、あかまつくろまつ、その他針葉樹と続いている。

 三重県の人工林面積は全国16位の23.0万haと多いことを紹介したが、2017年の人工林面積当たりの生産量は1.14㎥/haである。全国平均0.85㎥/haより大きい。

 三重県はひのきの生産量が多く、小規模な木材生産の産業を維持していると言える。既述のように材積成長量との関係と考えると、三重県のこの数字は、資源的にはまだ十分に余力のある状態と言える。林業の歴史ある三重県は技術レベルも高く、長年大学とも連携している。今後森林資源調査の結果に基づく三重県の計画を立案し、計画的に進めると増産できる可能性は高い。

 しかし、大都市名古屋市のある愛知県に隣接し、工業も盛んな歴史もあり、森林の置かれる立場はあまり強くはないと考えられる。紀伊半島は森林が多く、その活用については都市とのつながりの好位置を活かし、三重県が中心県になって推進して欲しいところである。

(続く)

  • 2020.08.13
  • 田中

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