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都道府県の森林生産力をまとめて56

3-9-2 各都道府県の森林生産力を引き出すための協力が重要
 それぞれの地域で地域の強みと弱みを考慮し、独自の計画を立てて地域の人が協力して産業を盛り立てることが大切と考えられる。全国で同じことを目指しても上手く行かないことも多いのが現実である。地域の良さ(強み)を十分に活用したいところである。

 MTANAKA方式都道府県森林生産力分類は森林から産出される木材生産と栽培きのこ類生産から47都道府県を主に5つに分類した。我が国の少子高齢化の現実を考えると、森林地域の産業への求人活動では急に人を増やすことは難しい。これについては2章に論じた。その中で、森林地域の現在の生産量は確保できる範囲であり大切にしたい状態である。そこで、近隣県の状況を見て、相互に協力することが重要である。

 分類1の道県は年間の木材生産量が50万㎥以上で、2017年には13道県が分類1である。大規模製材工場にも供給できる生産力がある。また、人工林の木材の蓄積量を考慮してもまだ余力があり、これからも日本の木材生産をリードしていくことが期待される。

 分類1の中での木材生産と共に栽培きのこ類生産額が20億円以上と多い9道県はきのこの生産でも森林の活用を行っている。他の4県も栽培きのこ類生産額が少ないながら生産はしている。

 分類2の15県は、年間木材生産量が20万㎥以上50万㎥未満の県である。2017年の分類では北は東北地方から南は九州地方の県になっているが、主に関東地方から四国地方の県が多い。樹種としてひのきの生産が可能な県は比較的小規模な経営を続けていることが考えられる。生育樹種を考慮することも必要であるが、木材流通を支え消費者に商品を届ける生産力を評価しなければ産業としては続かないと考えられる。難しいと言われて久しい木材需要の増加策が成功した暁には、近県と共に生産量の増加を考える基礎としてMTANAKA方式都道府県森林生産力分類を使ってほしいものである。

 2017年の分類2の15県の中で、9県は栽培きのこ類生産額が多い県である。森林を地域産業として十分に活用し森林生産力を引き出していると言える。

 分類3の8府県は栽培きのこ類生産額が少なく、木材生産量が10万㎥以上20万㎥未満の県である。気候、歴史、その他の条件から、森林の産業に重きを置いていない状況があるが、少なくとも木材生産は続いている。そして栽培きのこ類生産も額は少ないが続いている。そのような県で急に人集めをして産業を作ることは森林関係の産業以外でも難しいことは周知のことである。分類1や分類2の県に協力することで、自府県の森林管理を続け活用方法を模索するのが現実的と考えられる。森林が環境としてそれぞれ他産業の後押しをしていると考えられる。

 分類4には4県が入っている。分類4は木材生産量については年20万㎥以下と少ないが、栽培きのこ類生産額は多く、森林を木材生産以外で有効活用してると言える県である。自県の条件を考えての森林活用と言える。木材生産については分類3の府県同様に周囲の県の力を借りての森林管理が有利と考えられる。木材需要を増加させる妙案はなかなか出てこない現状では、近隣県と共に協力することが得策と考えられる。木材需要の増加策は難問なのである。

 さいごに、MTANAKA方式都道府県森林生産力分類2017の分類5の7都府県であるが、紹介したように森林の存在が環境として大切になっていると考えられる。他府県同様に活用したくても規模が小さいため大規模な策は難しい。今回MTANAKA方式都道府県森林生産力分類を考案して分類5を作ったことが最も良かったことと考えている。無理して分類1や分類2の道県と類似の施策を行っても、条件も規模も異なり、人手も少なく計画案の推進は難しい。視点を変えての計画立案と計画実施を行った方が住民や仕事の従事者にも有用と考えられる。その時に、隣県との協力によって森林の管理作業を推進できれば森林環境は良くなり、他県への良い影響も得られるのではないかと考えられる。お互いにとって得する考えである。

 国の施策は全国を対象に考えているが、各都道府県ではそれよりも規模を小さくして地域に合わせた方法が大切と考え、2020年現在それを求めての森林経営管理制度や森林環境税及び森林環境贈与税の施行になっている。

 MTANAKA方式都道府県森林生産力分類を参考に、周囲の県の状況との比較ではなく冷静に状況を知って協力していくのが森林の活用に役立つのではないだろうか。

(都道府県森林生産力分類の話を一先ず「完」としよう)

  • 2020.10.27
  • 田中

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