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九州地方各県の森林生産力を見て行こう45

3-6-8 沖縄県

[1] 沖縄県の森林
 沖縄県の森林面積は全国43位の10.7万haである。森林率は全国37位の46.8%で森林率は日本全体の森林率より小さい。そして沖縄県の人工林面積は全国最下位(47位)の1.2万ha、人工林率は全国平均が40.7%のところ、全国最下位(47位)の11.3%と低い。沖縄県は亜熱帯に存在するため気候も樹種も異なり、他県と比較することは難しいことである。その点を考慮して考えてもらいたい。

[2]沖縄県の林業産出額と栽培きのこ類生産について
 沖縄県の林業産出額は2016年6.1億円(全国44位)、2017年5.5億円(全国44位)と少ない。全国の0.1%程度である。

 次に沖縄県の栽培きのこ類生産額は2016年5.5億円(全国38位)、2017年5.1億円(全国39位)である。沖縄県の栽培きのこ類生産は少ないが多少生産している。

 沖縄県の林業産出額に対し木材生産産出額と栽培きのこ類生産額の占める割合は栽培きのこ類生産の方が多く、栽培きのこ類生産額が2016年90.2%、2017年92.7%である。

[3]沖縄県の木材生産
 沖縄県の木材生産の樹種は広葉樹のみである。沖縄県の木材生産の産出額は2016年0.4億円(全国47位)、2017年0.2億円(全国47位)で、木材生産量は2016年0.3万㎥(全国47位)、2017年0.2万㎥(全国47位)であった。

 沖縄県の人工林面積は全国最下位(47位)の1.2万haと紹介したが、2017年の人工林面積当たりの生産量は0.17㎥/haである。全国平均0.85㎥/haと比較できない小ささである。

 沖縄県はMTANAKA方式都道府県森林生産力分類2017では分類5に入っている。沖縄本島の東南植物楽園は本州と異なる樹種が多くとても興味深いものである。沖縄県の場合、森林は生産の場としてよりも、環境や観光産業のために役立つことを求められていると考えられる。

(続く)

  • 2020.09.18
  • 田中

九州地方各県の森林生産力を見て行こう44

3-6-7 佐賀県

[1] 佐賀県の森林
 佐賀県の森林面積は全国42位の11.0万haである。森林率は全国39位の45.2%で森林率は日本全体の森林率より小さい。そして佐賀県の人工林面積は全国39位の7.4万ha、人工林率は全国平均が40.7%のところ、全国1位の66.9%と高い。筆者が考えるに、農業力のある佐賀県は植林して積極的に人工林を増やしてきたが、農地や果樹園その他への転用も行い、現在の森林そして人工林がある。

[2]佐賀県の林業産出額と栽培きのこ類生産について
 佐賀県の林業産出額は2016年16.9億円(全国39位)、2017年17.1億円(全国39位)であった。全国の0.4%程度である。

 次に佐賀県の栽培きのこ類生産額は2016年2.1億円(全国46位)、2017年1.9億円(全国46位)である。佐賀県は栽培きのこ類生産が少ないが多少生産している。

 佐賀県の林業産出額に対し木材生産産出額と栽培きのこ類生産額の占める割合は木材生産の方が多く、木材生産産出額が2016年87.6%、2017年86.5%である。

[3]佐賀県の木材生産
 佐賀県の木材生産の特徴はすぎとひのきを生産しているが量は少ないことである。佐賀県の木材生産の産出額は2016年14.8億円(全国33位)、2017年14.8億円(全国33位)で、木材生産量は2016年12.0万㎥(全国35位)、2017年11.9万㎥(全国36位)であった。2017年の素材生産の樹種を紹介すると、ひのきが5.2万㎥、すぎが5.0万㎥、広葉樹が1.6万㎥、あかまつくろまつと続いている。

 佐賀県の人工林面積は全国39位の7.4万haと紹介したが、2017年の人工林面積当たりの生産量は1.61㎥/haである。全国平均0.85㎥/haより大きい。九州は森林の成長が良いことから今後の増産の可能性もある。しかし、人工林面積は小さいため、隣県と協力して進めていくものと考えられる。

 佐賀県はMTANAKA方式都道府県森林生産力分類2017では分類3に入っている。

  • 2020.09.17
  • 田中

九州地方各県の森林生産力を見て行こう43

3-6-6 長崎県

[1] 長崎県の森林
 長崎県の森林面積は全国35位の24.3万haである。森林率は全国33位の58.7%で森林率は日本全体の森林率より小さい。そして長崎県の人工林面積は全国36位の10.5万ha、人工林率は全国平均が40.7%のところ、全国26位の43.1%と高い。農業と造林の歴史がある。

[2]長崎県の林業産出額と栽培きのこ類生産について
 長崎県の林業産出額は2016年73.9億円(全国21位)、2017年74.8億円(全国21位)であった。全国の1.6%と1.7%である。

 次に長崎県の栽培きのこ類生産額は2016年63.0億円(全国8位)、2017年62.1億円(全国8位)である。長崎県は栽培きのこ類生産が盛んで生しいたけは全国6位と多い。

 長崎県の林業産出額に対し木材生産産出額と栽培きのこ類生産額の占める割合は栽培きのこ類生産の方が多く、栽培きのこ類生産額が2016年85.3%、2017年83.0%である。

[3]長崎県の木材生産
 長崎県の木材生産の特徴はすぎとひのきを生産していることである。長崎県の木材生産の産出額は2016年10.8億円(全国36位)、2017年12.1億円(全国34位)で、木材生産量は2016年10.5万㎥(全国37位)、2017年12.4万㎥(全国35位)であった。2017年の素材生産の樹種を紹介すると、ひのきが4.7万㎥、広葉樹が4.5万㎥、すぎが3.2万㎥と続いていた。

 長崎県の人工林面積は全国36位の10.5万haと紹介したが、2017年の人工林面積当たりの生産量は1.19㎥/haである。全国平均0.85㎥/haより大きい。長崎県の地形を考えると少しの増産は可能でも大きな規模は難しいと考えられる。

 長崎県はMTANAKA方式都道府県森林生産力分類2017では分類4である。森林を十分に活用していると言えるだろう。

(続く)

  • 2020.09.16
  • 田中

九州地方各県の森林生産力を見て行こう42

3-6-5 鹿児島県

[1] 鹿児島県の森林
 鹿児島県の森林面積は全国12位の58.8万haである。森林率は全国30位の64.0%で森林率は日本全体の森林率より小さい森林県である。そして鹿児島県の人工林面積は全国11位の27.9万ha、人工林率は全国平均が40.7%のところ、全国20位の47.4%と高い。植林の歴史の結果である。

[2]鹿児島県の林業産出額と栽培きのこ類生産について
 鹿児島県の林業産出額は2016年89.4億円(全国13位)、2017年87.8億円(全国16位)であった。2ヶ年共全国の1.9%であった。

 つぎに鹿児島県の栽培きのこ類生産額は2016年17.1億円(全国23位)、2017年15.2億円(全国25位)である。鹿児島県は栽培きのこ類生産をしているが量はあまり多くない。近隣で消費していると考えられる。

 鹿児島県の林業産出額に対し木材生産産出額と栽培きのこ類生産額の占める割合は木材生産の方が多く、木材生産産出額が2016年79.6%、2017年80.5%である。

[3]鹿児島県の木材生産
 鹿児島県の木材生産の特徴はすぎとひのきを生産しているがすぎが多いことである。鹿児島県の木材生産の産出額は2016年71.2億円(全国8位)、2017年70.7億円(全国8位)と多く、木材生産量は2016年67.1万㎥(全国9位)、2017年65.2万㎥(全国9位)であった。2017年の素材生産の樹種を紹介すると、すぎが48.7万㎥、広葉樹が8.2万㎥、ひのきが7.2万㎥、あかまつくろまつ、その他針葉樹と続いている。

 鹿児島県の人工林面積は全国11位の27.9万haと紹介したが、2017年の人工林面積当たりの生産量は2.34㎥/haである。全国平均0.85㎥/haより大きくしっかりと木材生産を行っている県であることがわかる。森林の成長が良いことから今後の増産の可能性も大きい。

 鹿児島県はMTANAKA方式都道府県森林生産力分類2017では分類1-2に入っている。桜島あり、温泉あり、森林の多い鹿児島県である。
 
(続く)

  • 2020.09.15
  • 田中

九州地方各県の森林生産力を見て行こう41

3-6-4 福岡県

[1]福岡県の森林
 福岡県の森林面積は全国36位の22.2万haである。森林率は全国40位の44.6%で森林率は日本全体の森林率より小さい。そして福岡県の人工林面積は全国32位の14.0万ha、人工林率は全国平均が40.7%のところ、全国4位の63.1%と高い。植林した歴史の結果である。

[2]福岡県の林業産出額と栽培きのこ類生産について
 福岡県の林業産出額は2016年122.1億円(全国9位)、2017年129.8億円(全国9位)であった。全国の2.6%と2.9%である。

 つぎに福岡県の栽培きのこ類生産額は2016年101.5億円(全国4位)、2017年99.1億円(全国4位)である。福岡県は栽培きのこ類生産が盛んでぶなしめじ、まいたけ、エリンギ、えのきだけを生産している。

 福岡県の林業産出額に対し木材生産産出額と栽培きのこ類生産額の占める割合は栽培きのこ類生産の方が多く、栽培きのこ類生産出額が2016年83.1%、2017年76.3%である。

[3]福岡県の木材生産
 福岡県の木材生産の特徴はすぎとひのきを生産しているがすぎが多いことである。福岡県の木材生産の産出額は2016年20.4億円(全国27位)、2017年29.8億円(全国22位)で、木材生産量は2016年17.6万㎥(全国28位)、2017年26.5万㎥(全国24位)と増加している。2017年の素材生産の樹種を紹介すると、すぎが20.4万㎥、ひのきが4.7万㎥、広葉樹が1.2万㎥、あかまつくろまつと続いている。

 福岡県の人工林面積は全国32位の14.0万haと紹介したが、2017年の人工林面積当たりの生産量は1.89㎥/haである。全国平均0.85㎥/haより大きくしっかりと木材生産を行っている県であることがわかる。森林の成長が良いことから今後の増産の可能性も大きい。

 2016年の福岡県は上記のデータからMTANAKA方式都道府県森林生産力分類2016では分類4に入っていた。木材生産量はあまり多くなかったが、栽培きのこ類生産では全国4位と立派に生産していたからである。さらに2017年になると、木材生産量が1.5倍に増えたことで、分類2-1に入った。栽培きのこ類生産行い森林を活用していたが、木材生産にも力が付いてきている。福岡県は九州の中で最も人口が多く、中心的存在であり、今後も上手く発展してほしいものである。
 
(続く)

  • 2020.09.14
  • 田中

九州地方各県の森林生産力を見て行こう40

3-6-3 熊本県

[1] 熊本県の森林
 熊本県の森林面積は全国18位の46.3万haである。森林率は全国32位の62.5%で森林率は日本全体の森林率より小さいが森林県である。そして熊本県の人工林面積は全国10位の28.0万ha、人工林率は全国平均が40.7%のところ、全国9位の60.5%と高い。

[2]熊本県の林業産出額と栽培きのこ類生産について
 熊本県の林業産出額は2016年151.7億円(全国8位)、2017年152.1億円(全国8位)であった。全国の3.3%と3.4%である。

 次に熊本県の栽培きのこ類生産額は2016年22.1億円(全国21位)、2017年21.9億円(全国22位)である。熊本県は栽培きのこ類生産が盛んで紹介したように乾燥しいたけが全国3位と多い。

 熊本県の林業産出額に対し木材生産産出額と栽培きのこ類生産額の占める割合は木材生産の方が多く、木材生産産出額が2016年84.8%、2017年84.7%である。

[3]熊本県の木材生産
 熊本県の木材生産の特徴はすぎとひのきを生産しているがすぎが多いことである。熊本県の木材生産の産出額は2016年128.7億円(全国4位)、2017年128.8億円(全国4位)で、木材生産量は2016年95.6万㎥(全国6位)、2017年97.3万㎥(全国6位)であった。2017年の素材生産の樹種を紹介すると、すぎが73.5万㎥、ひのきが20.8万㎥、広葉樹が3.0万㎥と続いている。

 熊本県の人工林面積は全国10位の28.0万haと紹介したが、2017年の人工林面積当たりの生産量は3.47㎥/haである。全国平均0.85㎥/haより大きくしっかりと木材生産を行っている県であることがわかる。森林の成長が良いことから今後の増産の可能性も大きい。

 熊本県はMTANAKA方式都道府県森林生産力分類2017では分類1-1に入っている。熊本県は農産物と果物の生産県、そして阿蘇山の観光の拠点としての存在は大きい。

(続く)

  • 2020.09.13
  • 田中

九州地方各県の森林生産力を見て行こう39

3-6-2 大分県

[1] 大分県の森林

 大分県の森林面積は全国19位の45.3万haである。森林率は全国18位の71.4%で森林率は日本全体の森林率より大きく森林県である。そして大分県の人工林面積は全国15位の23.3万ha、人工林率は全国平均が40.7%のところ、全国15位の51.6%と高い。

[2]大分県の林業産出額と栽培きのこ類生産について
 大分県の林業産出額は2016年187.6億円(全国6位)、2017年193.7億円(全国6位)であった。全国の4.0%と4.3%である。

 次に大分県の栽培きのこ類生産額は2016年75.5億円(全国7位)、2017年70.6億円(全国7位)である。大分県は栽培きのこ類生産が盛んで全国1位の乾燥しいたけの生産が有名である。

 大分県の林業産出額に対し木材生産産出額と栽培きのこ類生産額の占める割合は木材生産の方が多く、木材生産産出額が2016年59.2%、2017年62.8%である。

[3]大分県の木材生産
 大分県の木材生産の特徴はすぎとひのきを生産しているがすぎが多いことである。大分県の木材生産の産出額は2016年111.6億円(全国5位)、2017年121.6億円(全国5位)で、木材生産量は2016年97.3万㎥(全国5位)、2017年98.1万㎥(全国5位)であった。2017年の素材生産の樹種を紹介すると、すぎが82.2万㎥、ひのきが14.6万㎥、広葉樹が1.4万㎥と続いている。

 大分県の人工林面積は全国15位の23.3万haと紹介したが、2017年の人工林面積当たりの生産量は4.20㎥/haである。全国平均0.85㎥/haより大きくしっかりと木材生産を行っている県であることがわかる。森林の成長が良いことから今後の増産の可能性も大きい。

 大分県はMTANAKA方式都道府県森林生産力分類2017では分類1-1に入っている。個人的には大分県は温泉としいたけの美味しさの印象が大きい。
 
(続く)

  • 2020.09.12
  • 田中

九州地方各県の森林生産力を見て行こう38

3-6九州地方
 九州地方は亜熱帯の沖縄県を除き森林関係の産業の生産量は多い。木材生産の盛んな地方は北海道地方、東北地方、九州地方であるが、その一つの地方である。2017年の林業産出額の九州地方の合計は日本全体の2割を占めている。九州8県について森林生産力の分類結果を紹介していこう。

 九州地方8県の内、MTANAKA方式都道府県森林生産力分類2017の分類は次の様である。分類1-1には宮崎県と大分県と熊本県の3県、分類1-2には鹿児島県、分類2-1には福岡県、分類3には佐賀県、分類4には長崎県、分類5には沖縄県である。

 分類1-1の県は栽培きのこ類生産が多いと共に、木材産出量が多く50万㎥以上の県である。分類1-2の県は栽培きのこ類生産が少なく、木材産出量が多く50万㎥以上の県である。分類2-1の県は栽培きのこ類生産が多く、木材産出量が20万㎥以上50万㎥未満の県ある。分類3の県は栽培きのこ類生産が少なく、木材産出量が10万㎥以上20万㎥未満の県ある。分類4は栽培きのこ類生産額が多く、木材産出量が20万㎥未満の県である。分類5は栽培きのこ類生産額が少なく、木材産出量が10万㎥未満の県である。

 九州地方は元気な林業地が多い。2017年の林業産出額の多い順にそれぞれの県の特徴を紹介していく。

 なお、表3-6に2017年の九州地方各県の森林生産力に関するデータを掲載している。

表3-6 2017九州地方森林生産力データ

表3-6 2017九州地方森林生産力データ

お詫び:表中の数字に誤りがありました。訂正致しました。(2020年9月11日19:50訂正)
参考文献:林野庁「森林統計要覧2019」

3-6-1 宮崎県

[1] 宮崎県の森林
 宮崎県の森林面積は全国13位の58.6万haである。森林率は全国10位の75.7%で森林率は日本全体の森林率より大きく名実共に森林県である。そして宮崎県の人工林面積は全国8位の33.3万ha、人工林率は全国平均が40.7%のところ、全国12位の56.8%と高くなっている。宮崎県の森林は成長が早く、先人達によって積極的に造林されたことがわかる。

[2]宮崎県の林業産出額と栽培きのこ類生産について
 宮崎県の林業産出額は2016年262.7億円(全国4位)、2017年282.4億円(全国4位)であった。全国の5.6%と6.3%である。

 次に宮崎県の栽培きのこ類生産額は2016年47.7億円(全国13位)、2017年53.0億円(全国9位)である。宮崎県は栽培きのこ類生産を盛んに行っている。乾燥しいたけの生産は全国1位の大分県に次いで2位が宮崎県、3位が熊本県である。

 そして、宮崎県の林業産出額に対し木材生産産出額と栽培きのこ類生産額の占める割合は木材生産の方が多く、木材生産産出額が2016年81.0%、2017年80.3%と多くなっている。

[3]宮崎県の木材生産
 宮崎県は平成3年(1991年)からすぎの素材生産量全国1位を続けている。2017年迄でも27年間である。

 宮崎県の木材生産の産出額は2016年212.7億円(全国2位)、2017年226.7億円(全国2位)で、木材生産量は2016年198.2万㎥(全国2位)、2017年196.4万㎥(全国2位)であった。2017年の素材生産の樹種を紹介すると、すぎが181.0万㎥、ひのきが8.8万㎥、広葉樹が5.6万㎥、あかまつくろまつ、その他針葉樹と続いている。

 宮崎県の人工林面積は全国8位の33.3万haと多いことを紹介したが、2017年の人工林面積当たりの生産量は5.90㎥/haである。しっかりと木材生産を行っていることがわかる。育林業が盛んな歴史があり、森林の成長が良いことから今後の増産の可能性も大きい。

 宮崎県はMTANAKA方式都道府県森林生産力分類2017では分類1-1に入っている。宮崎県は樹木の成長が良い。また飫肥杉が知られている。宮崎県は近県と共に木材生産を高めるリーダー的な存在になっている。

(続く)

  • 2020.09.11
  • 田中

四国地方各県の森林生産力を見て行こう37

3-5-5 四国地方の4県の特徴
 四国地方の4県の森林はそれぞれ特徴がある。これまで各県を紹介したが、まとめてみよう。個人的には何度も訪問している。四国の歴史、森林の立派さと美しさ、四国は広いことを実感している。

1)栽培きのこ類生産は徳島県と香川県が多い。
 表3-5に示すように、栽培きのこ類生産額が全国5位の徳島県と同15位の香川県は森林を活用した産業の営みを行っている。徳島県は木材生産も盛んである。

 香川県は県土面積が小さく森林面積も少ないが、栽培きのこ類生産をしっかり行っていると評価できる。

2)木材生産は愛媛県、高知県が多い。
 四国地方は森林が多い。愛媛県も高知県も栽培きのこ類生産は少ないが、年間50万㎥以上の素材生産量があり分類1-2であった。この2県の産業としての条件は異なっている。愛媛県は愛媛ブランド材として「媛すぎ・媛ひのき」を販売していると聞く。人工林面積も大きく増産に期待したいところである。

 他方、高知県は同様に生産量が多いが、太平洋に面しており、愛媛県とは異なる位置にある。高知県は木造建築の消費者に近い大工や工務店に焦点を当てて建築工程の協力を促す働きかけを行ってきたと聞いている。

 両県共50万㎥以上の素材生産を行い、人工林面積の広さを考えると、新たな木材需要があれば更に生産は伸びる可能性は大きい。

 分類2-1の徳島県は地道に生産を行っている。人工林面積は愛媛県や高知県と比較すると少ないが、他県同様篤林家の活動による指導力がある。

3)木材用途の開拓が急務である。
 個人的には四国各県で多くの立派な人工林を拝見してきた。愛媛県では関西地域の消費嗜好に合わせた木材を育てているのを見学した経験がある。四国各県では森林を有効活用するように努力しているが協力体制作りには四国山地が阻んできた。森林内の車道網が積極的に整備され、また高速道路が開設されて各県が近い存在になってきている。ICT活用も行い、隣県との協力を促進することが重要ではないかと筆者は考えている。

 また大径材も含めた新たな木材用途開拓と流通経路確保を地域の人と一緒に模索することが急務と考えられる。高知大学や愛媛大学の協力は大きいと予想される。

(続く)

  • 2020.09.10
  • 田中

四国地方各県の森林生産力を見て行こう36

3-5-4 香川県

[1]香川県の森林
 香川県の県土面積は、全国で最も小さい。そして香川県の森林面積は全国45位の8.8万haである。森林率は全国38位の46.6%である。香川県の人工林面積は全国46位の2.3万ha、人工林率は全国平均が40.7%のところ、全国44位の26.5%と小さい。それは仕方ないことである。

 余談だが、栗林公園の雄大な風景を思い出すと、香川県は森林が多いのではないかと筆者は錯覚してしまう。

[2]香川県の林業産出額と栽培きのこ類生産について
 香川県の林業産出額は2016年45.6億円(全国28位)、2017年42.5億円(全国28位)であった。全国の1%程度である。

 また香川県の栽培きのこ類生産額は2016年45.0億円(全国14位)、2017年41.3億円(全国15位)と多い。

 香川県の林業産出額に対し木材生産産出額と栽培きのこ類生産額の占める割合は栽培きのこ類生産の方が多く、栽培きのこ類生産額が2016年98.7%、2017年97.2%と多くなっている。森林面積が小さい分、栽培きのこ類生産に力を入れていると言える。

[3]香川県の木材生産
 香川県の木材生産の産出額は2016年0.5億円(全国45位)、2017年0.6億円(全国45位)と少ない。木材生産量は2016年0.4万㎥(全国46位)、2017年0.6万㎥(全国45位)である。2017年の素材生産の樹種を紹介すると、ひのき0.4万㎥、すぎ0.2万㎥であった。

 香川県の人工林面積は全国46位の2.3万haと紹介したが、2017年の人工林面積当たりの生産量は0.26㎥/haである。全国平均0.85㎥/haより少ない。

 香川県はMTANAKA方式都道府県森林生産力分類2017では分類4に入っている。香川県の木材生産は少なく、森林に関係する産業としては栽培きのこ類生産を行ってきている。今後も森林からの恩恵を引き出して頂きたい。

(続く)

  • 2020.09.09
  • 田中
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