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里山便り

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私、施主になりました!(6-1)

6.居室について(内装)

 森林地域の産業の研究の過程で、部屋の表面の3割程度木材を使うと人間は精神的に落ち着くと聞いたことがある。確かに木材に囲まれていると落ち着くと思う人も多いだろう。私もその一人だ。しかし全面木材では古臭い感じがするという意見があり、その間で日本の家の内装材が変化してきたと考えられるのではないかと思う。和室が少なくなっていると言われている。そこで内装材についての私の経験と私見を述べたい。

6-1床

 床はフローリングが流行している。2015年築の私の住んでいた桜上水ガーデンズは予め6種類の間取りが用意されていた。畳の部屋のある間取りはひとつだけであった。我が家として畳のある物を選んだが珍しかったようだ。和室のある家が少なくなったと言われて久しいが、このようにして新しく建てられるマンションから和室が消えていたのだと思った。東京は特に和室が少ないのかもしれない。

 洋間の床はフローリングとなるが、マンションの場合には大理石の床!などという思いがけない物もあった。スリッパをはく生活では有りなのかもしれない。しかしフローリング材として木質の物が一般的のようであった。

 研究活動の関係で知ったスギの厚さ3cmの無垢の板を特別にお願いして敷いてもらった。静岡県浜松市の天竜林業では天然乾燥のフローリングの板を作っている。マンションの建築会社に無理を言ってお願いしたのだった。そのため床暖房は止めにしてもらった。その結果とても空気の良い住環境が出来上がった。家の扉を開けると、「思わず深呼吸したくなる家」、私の理想の住空間となった。

 無垢のスギ板の2番目のメリットとして材質の軟らかさを挙げることができる。小さな子供が転んでも怪我は軽くて済むだろう。私はノートパソコン(PC)を落としてしまいヒャッとしたが、PCは無事であった。マウスのコネクタが曲がり買い換えた程度の損傷ですんだ。逆に床の方は被害があった。深さは5mm程度長さが約2cm彫れてしまった。濡れ雑巾を置いておくと良いと聞いていたので熱湯を沸かし窪んだ部分に注ぎタオルで覆い養生をして待った。だいぶ凹みが小さくなったが現在でも凹みの穴はわかってしまう。無傷で家と付き合うのは難しいのだろう。だから表面を強くするためのコーティングが施されたフローリングの材料がたくさん出回ってきたのだと思う。手放した木の良さもある。どちらを取るかは難しい問題である。

 表面を加工された木も元のままの木も見た目は区別がつかない。2種類並べて見たり触ったりすると全く異質である。コーティングを施すと冷たい感触になり木の香りが出なくなる。その代わり汚れにくくなり傷つきにくくなり、手入れが簡単になる。消費者は専門家に勧められると楽な方へ安易な方へ行ってしまうと私は感じる。ひとつひとつ吟味するほど現代人は時間に余裕が無いと言える。小さなお子様がいる家庭は無垢の木のフローリングが良いと思う。2年近く住んだがエアコンの影響で木が反ってくることもなくとても良かったと思っている。

 マンション住まいでは点検のために色々な業者が来訪するが、木の香りの良さを言ってくださってうれしかった。プロは他の家も知っていて比較してくれるのであった。問題は良い事しか言ってくれないことと思うが。

 マンションの話が長くなったが、新しい家の一部にもスギの厚さ3cmの床板を張ってもらった。今の住宅は床暖房が主流のようで、建築した家は建築士のお勧めで1,2階は床暖房を設置し一般的なフローリング材にした。3階は床暖房を入れず前述の天竜材天然乾燥のスギのフローリングにした。この部屋の香りの良さは特別であり、他の部屋との比較でスギの香りの良さを改めて認識できた。

 マンションでは値段を考え節(ふし)のあるスギ板を楽しめるフローリングにしたが、今度の家では「上小節」(じょうこぶし)という一段上等の物にした。部屋の床の美しさは見とれてしまう程である。寝室にしておくのがもったいないのでベッドを寄せて作業できる空間を建築士に内緒で確保している。何と思うかちょっと心配である。

3階の天竜材天然乾燥のスギのフローリング。

3階の天竜材天然乾燥のスギのフローリング。


床暖房のためのフローリング1

床暖房のためのフローリング1


床暖房のためのフローリング2

床暖房のためのフローリング2

 他のフローリング材は2種類選択した。外国の木材を2mm位のつき板(薄い板)にして1.5cmくらいの板の表面に張り付けたものであった。1階は少し明るめのメープル、2階は木目模様の物を選んだ。私たちの20年後のことを考え、床暖房を設置したので仕方ないが、3階のスギの無垢板の方がやわらかく心地よい。床に寝そべる時はつい3階に行くが、ひとつの家の中にいろいろあり楽しみは多い。もちろん1,2階のフローリングは椅子に座る生活では充分満足している。

 床板は人間の生活にとって最も身近な存在である。特に小さな子供には体に近い物である。良い物を吟味して楽しく使うことが得策と思う。スギ、ヒノキ、カラマツ等の日本の針葉樹もある。外材の樹種もたくさんある。日本の広葉樹も然りである。2015年築のマンションではフローリングの候補材が3種類用意されていた。スギの無垢材などもっと選択肢があれば良いと思う。他方、選択肢がたくさんあると素人には選ぶのが難しいし、その対応が大変なものになると予想できる。また、800戸超のマンションの建設では種類を絞り大量に発注できることで建築会社にとってメリットがあったと考えられるがいかがであろうか。

 一戸建ての設計の場合、マンションのような建築会社のメリットがないため、建築士の指導の下施主は選択することになる。私の場合自分たちに合わせて選択してもらい決定したのであった。

 部屋の用途、住民の趣味によって膨大な選択肢が存在する。その中で何を選ぶかは難問である。しかし建築された家は誰かが選んで作られている。マンションの建設会社、建売の会社、建築士、戸建ての建設会社など、素人のマンション購入者や施主は知らないうちに選択の指導をお願いしている。

 逆に、資材を供給する側にとっては、たくさんの中から自社の製品を選択してもらうことは難問だと気が付いた。
(続く)

  • 2018.03.24
  • 田中

私、施主になりました!(5-2)

5-2 家具と建具

 家具は生活の友である。この60年の間日本人のライフスタイルは変化した。第2次世界大戦の終戦からしばらくたった60年前庶民は畳の部屋で丸いお膳を使って食事をしていた。その後、私の成長期の家にもいろいろな家具や家電製品が入ってきて壁は家具に埋め尽くされた。

 信州里山.netで家具の研究者の家具の歴史についての記事を拝読した。各地に江戸時代からの家具の歴史があるが、庶民の暮らしに家具が普及するようになったのは第2次世界大戦後のことで、大まかに言うと20世紀後半のようだ。それ以前庶民の家では棚が中心だったようである。だとすると私の人生の間ではないかと気が付いた。木材と触れているとリラックスできるが、住環境に木材を取り入れるには家具が最も手っ取り早いと私は考えている。

 一方、日本人のライフスタイルが変化していることも考慮する必要がある。日本の家の面積が広くなっているが、広くなるにつれて和室の生活からイスの生活へと変化し、寝具が布団からベッドへと変わってきた。高齢化社会では、レストランでも椅子席、ホテルも布団よりベッドの方が高齢者に快適であり、一緒にいる人も楽ということになる。

 もうひとつの問題は災害対策である。家の設計をプロの建築士に依頼すると、家具を置くより作り付け家具の方を勧められ、安全性の考え方に気づかされた。地震の時に動かない家具、倒れない家具の方が住民は安全である。

 そこで、機能を重視すると将来どのような家具が残っていくのかを私なりに考えてみた。デザインや雰囲気作りなどを考慮すると違う考えになることをお断わりしておく。機能派の私は次のように考えた。 
① テーブル&イス:イスに座る生活には欠かせない。作り付けになるかもしれない。 
② ベッド:家が広くなり寝室ができたことと、高齢者が過ごしやすいように1人1台必要になる。
③ ソファー:私は個人的には好まないが、リラックスするためには多いようだ。
④ 書棚、サイドボード、OA収納など:住民の趣味や趣向で必要になる。
⑤ 子供用学習机、ベッド、物入れ:子育て中は必要となる。子供1人に対して15~20年と期間が短いことが特徴。
⑥ 書斎の机:仕事の仕方によっては必須。私個人には必要である。
⑦ タンス類:WIC(ウォークインクローゼット)に変わっている。
⑧ 食器棚:作り付けの棚には地震で扉が開かない器具が付いているものがある。
⑨ 鏡台・ドレッサー:洗面所へと代わっている。
 これから確実に残るものは①から⑤、あるいは⑥ではないだろうか。個人の家ではなく、病院の調度品を考えても同じ物に行き当たった。

 家具を作成する側の立場では、メーカーの競争に追われていると思うが、実はそれより広い業界間での競争が起きているのではないだろうか。家の建設会社や集合住宅のデベロッパーも競争相手であり、消費者のために良い家具を提供する協力者でもあると考えることができるのではないだろうか。デザインさえ良ければ良いのではなく、ライフスタイルに合った機能をしっかり提供するものでないと、流行が去ると飽きられてしまうと思う。

 東京では昔あった家具屋は姿を消し、現在私の気付く家具屋として大規模のニトリ、イケアなどがあり、安く手ごろな家具が若い人の人気を集めている。一方高級家具のお店も頑張っている。いろいろな人がいるので自分に合った住環境のための家具が入手できる世の中であってほしいと思う。

 特にストレスの多い現代人ためにストレスを減らせる住環境作りとして木製家具を提供し、それを消費者が入手し使って欲しいものである。木材を使いリーズナブルな値段で活用できる家具を家具メーカーが提供してくれることを願っている。

 次回は居室の内装の話に入ろう。

(続く)

  • 2018.03.21
  • 田中

私、施主になりました!(5-1)

5.収納、ロフト、家具

5-1 収納の考え方は変化している

 新聞と一緒に配られる不動産のチラシを見るとWIC(ウォークインクローゼット)をたくさん見かける。2015年築のマンションにも広めのWIC、大きめの物入れ、約1間分(幅約180cm)の押入れと約半間分の物入れがあった。その他に大きなシューズケース、廊下の書類等を入れるキャビネット様の物入れと収納が多く付いていた。家のひとつの機能に物の収納機能があることを認識できる。

 私たちは段ボール箱40個等かなりの荷物を持っていた。「終活しよう」と称して少しずつであるが荷物を減らす努力はしていた。しかし壊した家にあった処分できない物や家具は否応なしに私たちの荷物を多くした。荷物が多いことから建築士は3階の上にロフトを作ってプレゼントしてくれたのだった。

 ところで、50年前建売だった家には増築して2畳程度の中2階があった。2階から床の蓋を開け置いてある脚立で降りるという方法で入ったため、ここ十年以上は年に一度入れば良い方であった。物の整理はエネルギーを要するため、家人が歳を取るとなおさら入れなくなる。それを私は恐れたが、我らが建築士は階段のあるロフトを設計してくれたのであった。

ロフトへの細めの階段。

ロフトへの細めの階段。

 引っ越しの時、あまり使わない物の入った段ボールをロフトに入れてもらった。それを家族は区分けに精を出し、整理はどんどん進められた。ロフトは「何がどこに入っているのかがわかること」が重要だ。見えない、出せないでは物を持っていないのと同様である。自分が歳を重ねると見えない物をどんどん忘れるのではないだろうかと恐ろしい。

 さて日頃使わない物やここ2年位使わなかった物をロフトに収納することで驚いたことがあった。それは、他の部屋の荷物が少なくなったのだった。居住空間が広々と確保されたのだ。物にあふれていたのは何だったのか。「物入れの空間」と「整理」と「物を減らすこと」で快適な空間が生まれ、それを手に入れることができるようだ。

 ロフトそのものは高さ140cmと大人が立って作業することはできないが、建物の空間を有効活用できるのだった。

 現代の収納にも工夫がある。WICにはハンガーのかかる横棒がついているが、それだけでなくタンスをすっぽり入れることができた。大きめのタンスは処分して2つだけ残しWICに入れたため、古い物は見えなくなった。下着など日常使う衣類は小さめのベビーダンスに入れてリビングに置いておくことにした。建築士の先生の反応は心配であるが、便利さは譲れそうもない。

大きなWICの扉。

大きなWICの扉。

 今回の経験で知ったことであるが、収納はできるだけ作り付けの物入れにする方が地震対策になるとのことで、棚の高さが変えられる収納をいくつも作ってもらった。夏場に使わない掛布団等を入れるために昔ながらの押入れも1間分くらいはある。

 その他の押入れのひとつは奥から中ほどまで棚を5段ほど作り、その前の扉の内側に掃除機を収納している。物の入れ方にもいろいろ進化があると感心した。長く生きていても知らないことは多い。しかも長く住んでいると慣れてしまってそれほど困っていなければそのままの方法で使い続けてしまうのが人間なのかもしれない。

 引っ越しして半年以上経ったが、まだ全ての収納を使いこなしているとは言い難い。これから四季を2回くらい経る間に上手に収納できるようになりたいし、工夫したい。

(続く)

  • 2018.03.20
  • 田中

私、施主になりました!(4-3)

4-3屋根について

 屋根は家にとって最も重要な物のひとつだ。風雨から家を守るだけでなく紫外線などの陽射しからも家を護っている。元の家が築40年位の頃、母は瓦屋根にあこがれていたためスレート瓦をトタン屋根の上に載せてしまった。家が傾くのを助長させたとも私は考えているが、傾くいくつかの要因のひとつであっただろう。

 今回は前述の経験から屋根には初めからこだわらない方針にしていた。それより家の土台その他とのバランスをとることの方が大切ではないかと考え、今多く使われているスレート瓦になった。

 住宅展示場のカタログを見ると屋根は良く見えるが、東京の家並みでは道から屋根その物が見えることはあまりないことに気付いた。お屋敷街では屋根は庭木に隠れて屋根全体は見えていないことが多い。3階建ての街並みではなおさらである。道から屋根の切妻の形状は見えることはあるが、外壁や窓は見えていても屋根の面が見えることは少ない。これは東京の特殊事情かもしれないが。

 子供の頃家の絵を描くと一軒家で屋根を描いたものだが、現実に屋根は空からしか見えず太陽に見せるために作るのかもしれない。インターネット時代はGoogle地図等で空から見た家の姿を見られるので21世紀の新たなニーズが生まれているのかもしれないと思う。

やっと3階から屋根を見たところ。

やっと3階から屋根を見たところ。


道から見えないスレート瓦。

道から見えないスレート瓦。

(続く)

  • 2018.03.19
  • 田中

私、施主になりました!(4-2)

4-2柱の話

 私は東京生まれ東京育ちで、中学生になるまで住んでいた家は団地であり、中学3年の時両親は建売の一戸建てを購入した。それらの家の内装は今と違い柱が見えている造りになっていたが、柱の太さは3寸5分の類であった。「団地サイズ」という言葉が20世紀には言われていた。団地では飾りの柱だったとしたら、もう少し細かったのかもしれない。50年前のことは今となってはわからない。

 21世紀に入り、研究活動の関係で木材に興味のある全国の建築士の方々とお話しするようになった。そして4寸や5寸の太さの柱が全国で一般的に使われていることを知った。最も衝撃を受けたのは、「4寸の柱は貧相に感じる」との話を聞いた時であった。東京育ちの私は耳を疑った。聞き間違いかもしれないが、あまりのことに聞き返すこともできず確認はしていないのであるが、家が狭い東京と住環境が豊かな地域とではかなり違いがあるようだと認識できた。「現しの家」(あらわしのいえ)では柱も壁と共に部屋の顔であり主張することが大切なのかもしれない。今回は現しの家ではないが、家を建てるのに当たり、4寸の柱にこだわって欲しいとお願いした。

 ところで東京の狭い土地であることからロフト付きの3階建てになった。建物の高さが高いため無垢の柱での設計では強度を考慮すると太い構造材が必要となり居住空間が小さくなるとのこと。建築士の考えで無垢の木材ではなく強度の強い集成材での設計にすることとなった。その代わり4寸(約12cm)角の柱を採用してくれた。

 集成材は外国から輸入した強度の強い木材と日本の国産のスギを層にした物である。中国木材株式会社の集成材を使ってもらった。柱が4寸角になると、梁材なども連動して太い材を採用することになる。棟上げでは、東京ではあまり見かけない太さ4寸の柱が狭い土地に林立していたのが印象として残っている。興味を持つと気になるもので、散歩しながら近所の棟上げを見て回っている。たまに4寸の柱を見かけることもあるが、3寸5分の家が東京では大多数のようである。特に土地を小さく区分けした建売の場合には3寸5分になっている。今は柱の見えない内装のため家の購入者には見えない事実である。

 建築工事が進むと柱や梁は壁の中や部屋の天井の上へと消えて見えなくなった。完成後現代風の壁には柱の見えない内装になっているため4寸の柱を直接見ることはできない。探してみると、家の中の壁の厚さは4寸+αである。物入の壁も4寸+αの厚さであった。これを見ればわかるのだと建築の素人の私は安心した。

 耐震強度3を確保するため筋かいの入った壁を多くし、また制震のためのダンパーの入った壁を1階に4つずつ入れて4寸の柱と共に住民としては安心して住める家となっている。

 4寸の柱を採用してもらって良いことばかり思いつくが、ちょっと気になるデメリットがあったので紹介する。建築は91cm(910mm)を基準に設計することが多いため、柱は太くなり壁が厚くなると部屋の空間が少し狭まることになる。トイレの空間は幅が半間のため狭くなったのが私にもわかってしまった。初めのうちはトイレットペーパーホルダーがひっかかりそうになることもあった。もし体の大きなスポーツ選手だったら大変かもしれない。またバリアフリーを考慮した場合にはさらに広い空間を確保する必要があるようだ。

 トイレのことに気付くと、階段も多少狭いのかもしれないと思うが、引越しでは何も支障もなかったのと、手すりを付けているが狭さは特には感じていない。

 基準となる幅を91cm以上にも変更できると聞くが、東京の狭い土地では致し方ないと思う。私や家族は家に護られている実感があり大満足で生活している。

上棟して間もなくは柱が林立していた。(工事中)

上棟して間もなくは柱が林立していた。(工事中)

(続く)

  • 2018.03.18
  • 田中

私、施主になりました!(4-1)

4.構造材、柱、屋根

4-1構造材の選択と耐震について

 森林地域を対象に研究活動をしている私は構造材としてもちろん木造を選択した。今までの住まいは必ずしも木造とはいかなかった。集合住宅に暮らしている時の構造は鉄筋コンクリート造りであった。また八王子市ではURの建てたRC構造の住宅。それに対し築50年の実家は木造であった。

 築50年の実家を取り壊してわかったことは、解体時に解体工事費のみでなく産業廃棄物として処分する費用が必要であるということ。どちらの費用についても現状ではコンクリートの建物の場合木造よりも嵩むことになる。

 使っている間はゴミとはならないが、ゴミとして処理するとなると家はおおごとである。コンクリートの建物はなおのことである。解体にもエネルギーを必要とするし、産業廃棄物としての費用も多くなる。子孫のためにできれば木材を選ぶもの良いことかもしれない。

 災害に備えて木造以外を選ぶという人もいるでしょう。古来日本では木材を活用して家を建ててきたため、阪神大震災など大きな地震が起きると木造の家が壊れたとニュースになってきた。これは全体の母数が大きいためと、古い物からいろいろな年代の家が存在し、木造住宅には不利な条件となっていると思う。しかしコンクリートで造られたマンションでも壊れることがあるのは建築物が時代を経れば壊れる可能性があるということではないかと考えられる。たとえば、へーベルハウスは販売して30年程になり地震に強いと聞くが、ずうっとその強さを保持してもらいたいものである。

 建築業界ではどのような素材の建物も地震対策の研究は進められている。現在の技術を集約して家を建てれば物理的には災害に備えられる。しかし人間は思い込むとそれが良いという考えから出るのは難しいのではないだろうか。さらに一生に何回もしない買い物であることから、あれこれ考えてわからなくなるのではないかと思う。

 今の建築技術では、木造住宅は壁の多さと様々な仕組みを施すことで安全にしているとのことである。建築基準法はその成果の最低限守るべきことを示している。これから建てられる家は今の建築基準法をクリアしていることから、以前の基準ギリギリで建てられた家よりも一層安全になっていると言えるであろう。

 「建築した家は地震が来ても十年は壊れないで欲しい」という家族の提案で、今回の我が家は耐震強度3の強さの家にしてもらった。柱や壁の量を多くし、壁は筋交いの入った耐力壁をバランス良く配置したり、制震のためのダンパーを入れた壁を設定したりした。それは間取りにも影響している。

壁の中には筋交いがある。(工事中)

壁の中には筋交いがある。(工事中:写真中央下)


制震のためのダンパーを取り付けた壁。(工事中)

制震のためのダンパーを取り付けた壁。(工事中)

(続く)

  • 2018.03.17
  • 田中

私、施主になりました!(3-6)

3-6洗濯機置き場

 サニタリーには洗濯機置き用のパンが設置され洗濯機を置いている。毎日でないにしても洗濯機は生活必需品である。テレビ映画の刑事コロンボなどを見ていると欧米では洗濯室があるのかもしれない。

 一人暮らしなら手洗いしたりやコインランドリーを利用するのがリーズナブルかもしれないが、人数が多くなれば洗濯機は必須な家電製品である。30年ほど前乾燥機を使ったこともあったが、残念ながら私には合わないようで、当時住んでいた団地のバルコニーに干す方を選び、乾燥機は使わずに置いたままであった。もったいないことをしたが子育てと仕事に忙しい時期のことだった。廃棄する時にあまり考えずに入手したことを後悔したものである。もっと検討すれば良かったのかもしれない。それに対し現在の浴室乾燥には満足している。

 洗濯機置き場のパンの下は下水につながっていて上手くできていると感心する。2006年に初めて使った。最初はパンから排水が溢れないのかと心配したものだ。しかし私が今までに使ったパンは大丈夫だった。取り越し苦労であるが、特にマンションの場合には階下への水漏れは心配の種である。

 さて洗濯機置き場には洗濯機以外に必要な物がある。多種類の洗剤類や物干し用のハンガー類である。置き場がないと細々したものが散らかってしまう。今回の洗濯機置き場は階段下のため収納部分が狭いので、いかに使うのかこれからまだまだ工夫したいと思っている。

階段横の扉の奥が洗濯機置き場になっている。

階段横の扉の奥が洗濯機置き場になっている。

(続く)

  • 2018.03.16
  • 田中

私、施主になりました!(3-5)

3-5洗面所

 サニタリーの中で洗面所は大きな存在のようだ。他人事のように言ったのは我が家の家族は必要性を感じていなかったからだ。キッチンの流用でもまあいいかと思う程度であるが、思い出せば小さい頃から洗面所の無い家に住んだことは無いのだった。しかし私はその存在意義を感じていないひとりであった。

 そのような話は家を建てる時くらいしか素人はしないが、妹に話したら、「私は家に2つ洗面所が欲しい」と言うのでびっくりした。大人4人が朝かち合うからとのことであった。

 他方、家の設計時に建築士の義弟の次の話を聞いてまたまた驚いた。若い人は鏡台やドレッサーを持たずに洗面所を使う人が多いとのことであった。そして洗面所に機能が集約されていることを知った。時代は変わっているのだ。あまり他人様には言えないが、鏡台の引き出しをテーブルに持って行ってお化粧している私の長年の習慣は簡単には変えられそうにない。

 あまり使わないと思っていた洗面所であったが、歯磨き、洗顔、そして月に1度くらい髪を染める時に使っている。私もしっかりお世話になっていると気付いたのであった。
(続く)

  • 2018.03.15
  • 田中

私、施主になりました!(3-4)

3-4トイレ考

 親が若い頃団地に住んでいたことから、1954年から自宅のトイレは洋式であった。小学校のトイレは和式であった。今思えば小さいながら上手に使っていたと思う。50年前の建売住宅は駐車場の下に浄化槽を敷設した和式のトイレであった。その後東京都世田谷区の下水道完備に伴い、浄化槽は使命を終えた。そのまま何十年も空洞のまま放置してしまった。早い時期に母は和式のトイレを洋式へと改良していた。

 1975年以降に住んだ家はどこも様式のトイレであった。さらに1986年頃と思うが、住んでいた団地の大規模修繕の時に我が家にウォシュレット付のトイレが入ってきた。洋式のトイレはそれまで座面が冷たく布のカバーを付けていたが、今のように温熱で温めることができた。そして温水も温風も出る物であった。もう古い話だが、「田中の家はいいな」と子供の友達にほめられてうれしかった思い出がある。チャンスがあったからこそできたことだった。

 ウォシュレットは快適であったが、掃除には困った。しかし30年経つとトイレもウォシュレットも掃除が楽にできるようになっている。子供が小さい頃にこのようなトイレだったらもっと掃除してあげられたと思う。

 次に外のトイレであるが、きれいになっている。勤め先だった大学ではどこもトイレの改良が進みきれいになっている。汚れが付きにくく掃除がやりやすい物に替えられている。その上セキュリティも兼ねて掃除の要員が配置されている。日本のトイレはきれいになっていると実感できるのではないか。私は外ではできるだけ和式を使い、ウォシュレット機能も我が家でしか使わないが、他の人はどうしているのかと思う。トイレのことは他の人に聞きづらいが。

 今回3階建てのため小さな家だがトイレをそれぞれの階に設け3つにした。さらに高齢になった時のことを考えてのことである。トイレの掃除はたいへんになるのではと妹が心配してくれたが、住み始めてわかったことであるが、汚れるのはどうも使用回数に関係するように思う。まだきれいなのでせっせと掃除をしていきたい。

窓があるトイレルーム。

窓があるトイレルーム。

(続く)

  • 2018.03.15
  • 田中

私、施主になりました!(3-3)

3-3浴室の機能<最も驚いたこと>

 浴室はお風呂場であるとずっと思いこんでいた。水を多量に流すためじめじめしているのは仕方ないと思っていたし、そのため床は他の部屋とちがった素材であり、タイル、コンクリート等を連想していた。しかしこの考えは古いことが今回よくわかった。

 また、10年ほど前タワーマンションではバルコニーに洗濯物を干すことができず、浴室に干して人工乾燥させるとの話を聞いたが、タワーマンションの特別な事情と勝手に思い込んでいた。しかし浴室をカビさせないために使用後乾燥させることが集合住宅の場合重要なことであると思い当たった。

 団地の3階に住んでいた時、浴室に窓はあったが、浴室内がカラリと乾くことなどなかった。北側のコンクリートの浴室のため寒い所との印象が強い。浴室が乾くことは長持ちすることにつながる。50年前の建て売りの実家のお風呂場はタイル張りであった。使用後必ず窓を開けて風を通してできるだけ乾燥させていた。そのお風呂場は冬寒いのが難点であった。その点現在の浴室は暖房も完備され高齢者にも安心して使えるようになっている。

 ビジネスホテルなどで比較的新しい浴室を使うことはあるが、維持管理の点では自宅で使用しないとわからないことが多い。2015年築のマンションで私は初めて浴室乾燥を経験した。ガス暖房乾燥システムであったが、2時間程度で洗濯物が良く乾いた。エコモードなど3種類が用意されていた。入居時ガスの説明員から浴室をカビさせないために、月に1度は「強モードで2時間洗濯乾燥するのが良い」と説明されたのが記憶に残っている。その通りにしていたが上手くいって満足していた。

 浴室乾燥については一戸建てに住んで失敗した。家のバルコニーに屋根がないため、洗濯物を浴室乾燥していたが、長時間かかるなあと感じていた。実はお風呂として浴室を使った後「ブロー換気」(たぶんメーカーにより名称が異なる)という機能を使う必要があった。知らぬまま2ヶ月過ぎた頃、変な臭いに気付き、改めてマニュアルを読み、「ブロー換気」なる機能を知った。2時間半の強烈な換気は功を奏し間もなく臭いは無くなったが、もっと早く気付くべきであったと思う。

 洗濯物の乾燥は集合住宅の時より時間はかかるが機械の性能の違いかもしれない。浴室乾燥機能と洗濯乾燥機能は全天候型であり重宝している。考えてみれば両機能は同じ乾燥と言う目的を担っているのだった。晴天で風が弱い日にはもちろんベランダいっぱいに洗濯物をお日様に当てて幸せを感じている。

 さてお風呂の広さであるが、展示場へ行って大きな浴室のサンプルが沢山ありびっくりするのは私達だけではないと思う。家は小さいため広くない物を選んだつもりであるが、充分に広いお風呂である。他の新しい家はこの大きさ以上なのかもしれないと想像している。

 前のマンションの部屋は角部屋であったため浴室に窓があったが、一般的にマンションの場合には間取りの関係で窓の無い場合が多い。それに対し、一戸建ては窓を取ることができる。付け加えると、トイレも同様に集合住宅では窓がないことが多いが、一戸建てでは窓を付けることが可能である。窓のあるトイレは気持ちがいいと思う。次にトイレの話に入ろう。

 

お風呂場には窓がある。

お風呂場には窓がある。

 

お風呂場上部の洗濯を吊るすための棒を2本にした。

お風呂場上部の洗濯を吊るすための棒を2本にした。

(続く)

  • 2018.03.14
  • 田中
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